【こんな症例も治りますシリーズ 768】『 食欲不振なのは、歯のせいか? 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、上顎前方の歯肉を見る時のポジションです。

 

参照サイト:

https://00m.in/zrlwd

 

『 歯肉炎の改善でご飯が楽しみに! 7歳マルチーズの症例 』

 

 

犬 マルチーズ 7歳 オス(去勢手術済)

 

 

 

【 最近、ご飯を残すことが増えた7歳のマルチーズ(去勢オス)。硬いフードを避けるようになり、大好きだったおやつにも手をつけない日がありました。 『もしかして口の中に問題があるのでは…?』とご家族が心配されて 】来院されました。

 

 

◆◆ 診察と診断

 

 

診察で口腔内を確認すると、歯肉の赤みと腫れがあり、軽く触れるだけで出血する部分も認められました。 

また、一部の歯には歯石が付着し、歯肉炎を悪化させていました。

診断は中等度の歯肉炎。放置すると歯周病へ進行し、歯を失う可能性がある状態でした。

 

 

 

 

★★ 治療内容

 

 

 

■ 全身麻酔下で

 

 

–  歯石除去(スケーリング)

 

–  歯肉炎の原因となっていた動揺歯の抜歯(13本) ⇒ 新型の歯周病治療 実施

–  歯肉の炎症部位の処置

を行いました。

 

 

 

 

■ 麻酔中は体温・呼吸・心拍・血圧をモニターし、安全に管理。術後は痛み止めと抗生剤で回復をサポートしました。

 

 

 

 

★★ 術後の変化

 

 

 

■ 手術翌日からは柔らかいご飯をしっかり完食。 数日後には食欲が安定し、これまでのような『 食べたり食べなかったり 』というムラがなくなりました。

 

 

■ ご家族からは『 毎日楽しそうにご飯を食べるようになって、本当にやってよかった 』と嬉しいお声をいただきました。

 

 

 

 

★★ 歯肉炎と全身の健康

 

 

 

■ 歯肉炎は口臭や食欲不振だけでなく、炎症が血流に乗って全身に悪影響を及ぼすことがあります。

 

 

■ 心臓や腎臓へのリスクもあるため、『 口の病気=全身の病気につながる 』という意識が大切です。

 

 

 

★★ 今後のケア

 

 

■ 毎日の歯磨き(柔らかい歯ブラシやガーゼからスタート)

 

■ デンタルフードやおやつの活用

 

■ 3カ月ごとの当院での歯科チェック

 

 

 

 

 

★★ まとめ

 

 

■ 今回のケースでは、歯肉炎の治療によって食欲が回復し、毎日の食事が楽しみになりました。

 

 

■ 『最近ご飯を残す』、『口臭が気になる』という場合は、早めの歯科検診がおすすめです。

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

Page Top