【お困りではありませんか? アドバイスしますシリーズ 38】 『 足が弱ったワンちゃんの救世主(治療) 』について を紹介します

↑ 上のイラストは、トーグリップの付け方の説明書に書いてあります。

■ 青い部分がトーグリップです。 付け方と管理方法にはコツが必要です。

■ ベストの管理方法は、月に1回ペースの動物病院での確認です。

 

参照サイト:

https://00m.in/WDsxn

 

■■■ 『 爪に付ける トーグリップ 』 編

 

 

■ 高齢のワンちゃんや神経・整形疾患を抱えるワンちゃんの飼い主さまから、『 フローリングで滑ってしまって立てなくなる 』、『 歩くのが怖いようで動かなくなってしまった 』、『 トイレで踏ん張りきれない 』といったご相談をいただくことがあります。

 

 

 

 

◆◆ そのようなご家族におすすめしているのが、『 トーグリップス(ToeGrips) 』という特殊な滑り止め器具です。

 

 

 

 

■ トーグリップスは、アメリカの獣医師 Dr.Julie Buzby によって開発された犬専用の滑り止め補助具です。

 

 

■ 柔らかい天然ゴム製の小さなリングを、ワンちゃんの爪に装着するだけで、床とのグリップ力が格段にアップします。

 

 

■ 特にフローリングやタイルなどの滑りやすい床に強く、ワンちゃんが自分の力で立ち上がったり、歩行することが可能になるケースが多く報告されています。

 

 

 

◆◆ おすすめのワンちゃん

 

 

• 高齢犬(筋力が低下している子)

• 椎間板ヘルニアや神経疾患後のリハビリ中の犬

• 股関節形成不全や変形性関節症など、整形疾患のある犬

• フローリングで滑って立ち上がれない、歩きにくそうにしている犬

 

 

 

◆◆ 医学的に見たメリット

 

 

■ トーグリップスは、単なる滑り止めとしてだけでなく、以下のような医学的な利点もあります。

 

 

• 転倒・骨折のリスクを軽減

 

 高齢犬の転倒は、骨折や再起不能なダメージにつながることもあります。 グリップを補うことで、事故の予防につながります。

 

 

 

• 筋力低下の抑制

 

 滑ることを恐れて動かなくなると、筋力はどんどん落ちてしまいます。安全に動けるようになることで、適度な運動を維持できます。

 

 

 

• リハビリの質の向上

 

 物理療法や水中トレッドミルと併用することで、歩行訓練の効率が高まります。

 

 

 

実際に使用したワンちゃん

 

 

18歳、パピオン

 

年齢が上がるにつれて後肢の筋力が落ち、トイレで踏ん張れない、転びやすくなった、とのお悩みがありました。

健康状態も良く、まだまだ自分で歩く気持ちの強いワンちゃんでしたので、使い始めました。

院内でつけた直後から楽しそうに院内を歩き、お家に帰ってからもよく歩き、トイレも踏ん張れるようになったと飼い主様から喜びの声をいただきました。

 

 

 

8歳、シェットランドシープドッグ

 

股関節の疾患があり、後ろ足を庇いながら歩いているため、前足に負担がかかり立ち上がりにくさが出ていたワンちゃんです。

トーグリップスを装着したところ、立ち上がりがスムーズになったと喜んでいただけました。

 

 

 

9歳、パグ

 

長期にわたり肝臓腫瘍をかかえながら治療を頑張っているワンちゃんです。

ご飯が上手く食べられなくなってきたため、なかなか長いお散歩ができず、筋力が落ちてしまったワンちゃんです。

自分で歩けるうちはできるだけ快適に過ごして欲しい、との飼い主様のお気持ちがあり、使用を開始しました。

歩く姿にスムーズさが出て、穏やかに過ごしていただいています。

 

 

 

後ろ足のふらつきが原因で、ワンちゃん用車椅子を検討していた方で、トーグリップスを試してみたところ、自分の足で再び歩けるようになった患者様もいらっしゃいました。

 

 

 

注意点

 

 

• 初めて装着する際は、違和感を示すこともあります。 数時間〜1日で慣れる子がほとんどです。

 

 

• 爪の形状や歩き方により、合わない場合もありますので、当院では装着前に無料カウンセリングを行っております。

 

 

当院では、トーグリップスの取り扱い・装着指導を行っています。 

サイズ測定から試着、装着サポートまで一貫して対応いたします。

 

 

 

滑る床は、人にとっても犬にとってもストレスです。

特に高齢のワンちゃんにとっては、歩くことそのものが生活の質(QOL)に直結します。

トーグリップスは、簡単に装着できて即効性もあり、かつ副作用のない優れたアイテムです。

 

『 最近歩き方がおかしいな 』、『 フローリングで踏ん張れていないな 』と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

 

Page Top