【こんな症例も治りますシリーズ 726】『 チワワの突然の血尿 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、膀胱炎の犬の尿沈渣を染色した顕微鏡検査画像です。

■ 原因菌は、大腸菌性膀胱炎でした。

■ 白血球と細菌が見られます(×400)。

 

 

 

 

参照サイト:

https://00m.in/ryQIQ

 

犬 12歳 チワワ メス(未避妊手術)

 

 

【 突然の血尿 】とのことで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 飼主様からお話を伺ってみると、『 昨夜から、オシッコが赤い 』とのことでした。

 

 

 

■ 細菌性膀胱炎は、膀胱内が大腸菌などの細菌に感染することで発症しますが、通常は、たとえ膀胱内に細菌が入っても、定期的な排尿により、細菌は尿とともに排出されます。

 

 

 

 

◆ ただ、

① 水をあまり飲まない

② 日常的に尿を我慢してしまう子

では膀胱に尿が長い時間溜まることで、細菌が繁殖するため、感染を起こし易くなります。

 

 

 

◆ また、メスではオスよりも尿道が短いので、細菌性膀胱炎には成り易いと言われています。

 

■ 症状としては頻尿や血尿、トイレ以外の場所での排尿がみられます。

 

■ 診断は尿検査、画像診断(レントゲン検査・超音波検査)、細菌培養検査などを行います。

 

■ 細菌性膀胱炎の治療は、感染している菌に対して効果的な抗菌剤を選択して投与します。

 

 

 

■■ さて、このワンちゃんの場合、レントゲン検査では、腎臓、尿管及び膀胱内に結石は認められませんでした。

 

■ また、尿を採取し、尿検査を行ったところ、pHは8.0で、また白血球、細菌が顕微鏡下でみられたことより、細菌性膀胱炎が疑われました。

 

■ そこで、抗生剤を処方することとしましたが、同時に、採取した尿を細菌培養し、検出された細菌に対して、処方した抗生剤の効果の有無を確認することにしました。

 

■■ 治療としては、内服の抗生剤を処方するとともに、床敷きとしてウッドチップを使用しているとのことから、アレルギー性皮膚炎を考慮して、紙製の床敷きに交換すること、また、良好な衛生環境を保つため、床敷きの交換を最低でも1回/週はするようにとお伝えしました。

 

 

■■ 2週間後、来院していただいたところ『 すっかり、血尿もなくなり元気になりました 』と嬉しそうにお話下さいました。

 

 

■ 前に提出した細菌培養では、今回、処方した抗生剤が、膀胱炎の菌に対し効果ありの結果であったことより、処方した抗生剤が細菌性膀胱炎に上手く奉功したが確認できました。

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

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