【こんな症例も治りますシリーズ 720】『 トイプードルの呼吸困難 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、犬の肺水腫のイメージです。

 

 

 

犬 8歳 トイプードル 避妊済み

 

 

【 愛犬が突然呼吸困難に陥り、飼い主様が非常に驚き、心配になった 】と来院されました。

 

 

 

◆◆ 今回は、8歳のトイプードルが心原性肺水腫を発症し、治療を行ったケースをご紹介します。

この症例を通じて、心原性肺水腫の症状や治療の流れについて理解を深めていただければと思います。

 

 

 

 

■ この子は、普段は元気いっぱいで家の中でも活発に動き回っていました。

 

 

 

 

■ しかし、ある日突然、呼吸が浅く速くなり、苦しそうに口を開けて息をしている姿を飼い主様が発見し、心配して当院に急いで連れてこられました。

 

 

 

 

■ 診察を開始すると、チアノーゼ(舌や歯茎が青紫色になる症状)が見られ、呼吸音も非常に荒く、肺に水が溜まっている可能性が高いと判断しました。

 

 

 

 

■ 緊急の対応が必要でした。

 

 

 

 

◆◆ 心原性肺水腫の診断

 

 

 

■ レントゲン検査を行ったところ、肺に液体が溜まっていることが確認されました。

また、心臓のエコー検査では、僧帽弁閉鎖不全症が見られ、心臓が正常に機能していないことがわかりました。

このような心臓疾患が原因で、血液が肺に逆流し、液体が溜まっていたのです。

 

 

 

 

◆◆ 緊急治療: 肺に溜まった水を排出する

 

 

■ まず最初に行ったのは、肺に溜まった水を排出するための利尿剤の投与です。

 

■ これにより、肺の液体を減らし、呼吸を楽にすることが目的でした。

 

■ 同時に、酸素吸入を行い、呼吸困難に陥っていた体に十分な酸素を供給しました。

 

■ 幸い、迅速な治療が功を奏し、数時間後には呼吸が少しずつ落ち着き始めました。

 

■ 飼い主様も非常に心配されていましたが、回復の兆しを見てホッとされていました。

 

 

 

 

◆◆ 今後の治療と管理

 

 

 

■ 心原性肺水腫は、一度治療しても再発のリスクが高いため、継続的な管理が必要です。

 

 

■ 今回のトイプードルちゃんも、根本的な原因である僧帽弁閉鎖不全症に対して、今後は心臓の負担を軽減するための薬を継続的に使用することになりました。

 

 

 

■ また、体重管理や適切な運動量の調整も、心臓への負担を軽減するために大切なポイントです。

 

 

 

■ 飼い主様にも、これからの日常ケアについて詳しくご説明し、食事や生活習慣の見直しをお願いしました。

 

 

 

 

◆◆ 治療後の経過

 

 

■ 退院後、トイプードルちゃんは徐々に元気を取り戻し、呼吸も安定しています。

 

 

 

■ 定期的な心臓のチェックを続けながら、心臓病と上手に付き合っていくことで、再発リスクを抑えることができています。

 

 

 

■ 飼い主様も、愛犬のために細やかなケアをしており、健康管理にしっかりと取り組んでいただいています。

 

 

 

 

◆◆ まとめ:心原性肺水腫を防ぐために

 

 

 

■ 今回のトイプードルちゃんのように、心原性肺水腫は突然発症することが多く、特に心臓に疾患を抱える犬にとっては非常に危険な状態です。

 

 

 

■ 早期発見と迅速な治療が命を救うカギとなります。

 

 

 

 

■ 心臓にリスクがある犬種や高齢犬の場合は、定期的に心臓の健康チェックを受けることが重要です。

 

 

 

■ また、日常的な体重管理や運動の調整、そして何よりも異常を感じたときにすぐに動物病院へ連れて行くことが大切です。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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