【こんな症例も治りますシリーズ 714】『 セキセイインコの 卵詰まりが治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、小鳥の卵詰まりのレントゲン像です。

■ 中央にある楕円形に近いモノが、『卵詰まりしている卵』です。

 

 

 

セキセイインコ 2歳 メス

 

 

【 朝から元気がない 】、とのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ 来院された時点で呼吸が荒く、体を膨らませて(膨羽)いました。

 

 

 

■ 小鳥さんは体温が低くなると皮膚と外気との距離を取り、保温するために羽をたてて膨らみます。

 

 

 

■ 飼主様のお話では定期的に産卵しており、そろそろ産卵する時期だとのことでした。

 

 

 

 

★ レントゲンを撮ると腹部に卵が確認でき、うまく産卵できていない『 卵塞(卵詰まり) 』という状況が起きていると判断いたしました。

 

 

 

■ すぐに卵を出してあげる処置を行い、暖かい酸素室で過ごしてもらいました。

 

 

■ すると徐々に呼吸や膨羽も落ち着き、動き回れるようになりました。

 

 

 

■■ 小鳥さんの飼育において『 卵詰まりは命にかかわること 』です。

 

 

 

 

■ そのため、卵を産ませない飼育方法をすることが大切です。

 

 

 

★ 具体的には以下のような対策ができます。

 

 

 

1) 偽卵を与える

 

 

2) 明るい時間を8−12時間に抑えて夜は暗くする

 

 

3) 巣箱や鏡は発情を誘発するので置かない

 

 

4) 発情刺激になるので背中を撫でない

 

 

5) 時々おもちゃの位置を変えるなど、環境に変化を与えて落ちつかない環境をつくる

 

 

★ また、今回の小鳥さんの卵は殻が柔らかく、カルシウム不足も考えられました。

 

 

 

■ カルシウムを適度に摂れるようにご飯にボレー粉などを混ぜてあげる必要があります。

 

 

 

■ 一時は呼吸状態も悪かったため、入院しての治療を勧めましたが、短時間治療で無事飼主様の元へ元気に帰ることができました。

 

 

 

■ 小鳥さんの様子が少しでもおかしいと感じた場合は、お早めの受診をお勧めいたします。

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

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