【こんな症例も治りますシリーズ 699】『 ワンちゃんの副腎の病気 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の絵は、犬のクッシング症候群の時に原因となる腺組織をイラストにしています。

■ 脳にある下垂体、腎臓の前方にある副腎、この2カ所が原因になります。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/EcuTv

 

犬 13歳 チワワ メス(避妊手術済み)

 

 

【 時々膀胱炎になることがあり、食事管理などで元気に過ごされていたワンちゃんでしたが、最近はトイレ以外での排尿やお散歩の後に疲れやすいのかよく寝るようになった 】、ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ トイレ以外の排尿、お漏らしの原因は環境要因、膀胱炎、ホルモン性、内科疾患などが考えられます。

 

 

■ 尿検査、血液一般検査、腹部エコー検査を行ったところ、尿比重が低く、副腎という組織が大きくなっていることがわかりました。

 

 

 

◆ 副腎は左右の腎臓のすぐ近くにある組織で、いくつかのホルモン作られているのですが、そのうちのコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されてしまうと多飲多尿、脱水、筋肉の菲薄化、脱毛、糖尿病など様々な症状、病気が現れてきます。

 

 

 

■ 過剰にホルモンが分泌されてしまう原因には、副腎そのものが腫瘍化する場合や脳の下垂体という場所が腫瘍化することがあります。

 

 

 

■ このワンちゃんは左右の副腎のサイズに差がなく、両方とも大きくなっていましたので副腎腫瘍は否定的でした。

 

 

 

 

◆◆ ACTH刺激試験を行いコルチゾールというホルモン数値を測定したところ、基準値を超えていました。

 

 

 

 

 

◆ 下垂体性腫瘍の場合は、外科的切除、放射線療法、コルチゾール値を抑える内科療法などがあります。

 

 

■ 巨大腫瘍の場合は外科摘出や放射線治療が望ましいですが、まずは内科療法から症状の変化を見ていくことが一般的です。

 

 

 

■ このワンちゃんも高齢であることと、少しストレスに弱いことから内科療法を開始しました。

 

 

 

 

◆◆ その後、お漏らしなどは無くなりました。

 

 

◆ 自宅では毎日の飲水量と排尿量を測定していただき、時々コルチゾールの値を確認しながら適切なお薬の量を決めています。

 

 

 

■ 13歳ですが、まだまだ元気に毎日を過ごしていただけたらと思います。

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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