【こんな症例も治りますシリーズ 689】 『 可愛らしさで見逃しがちな 重度になりやすい猫の感染症 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の感染症で有名な猫カゼの症状です。

■ 初期症状は、クシャミ程度ですが、末期になると写真のようになります。

■ 早く来院して下さい。 素人判断は、禁物です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/YRGoJ

 

猫 ミックス猫 4ヶ月齢 オス(未去勢手術)

 

 

【 おうちに迎えてから、ずっとクシャミが止まらない 】とのことで、ご来院されました。

 

 

 

◆◆ ペットショップさんよりおウチに迎えて1週間ほど、鼻水、くしゃみ、目やにが続いてるとのことでした。

 

 

■ 全身の身体検査に加えて眼科検査も行いました。

 

 

■ 両眼に結膜炎が認められ、鼻汁も出ていることから猫伝染性鼻気管炎が疑われました。

 

 

 

◆◆ 猫伝染性鼻気管炎は、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、細菌、クラミジアなどが原因となる感染症です。

 

 

■ これらの病原体は、猫ちゃんの呼吸器系に感染し、鼻腔・気管に炎症を引き起こします。 重度になると肺炎を起こしてしまうこともあります。

 

 

■ 猫の購入時にお迎えのタイミングは移動、転居のストレスにより発症してしまう子猫さんは多いです。

 

 

■■■ 今回の猫ちゃんは、鼻汁の細菌培養検査、咽頭スワブのPCR検査も行いました。

 

 

■ 細菌培養検査では鼻汁内の細菌の種類が分かるだけでなく、抗生物質の薬剤感受性についても分かります。 その結果を元に適正な抗生物質を選択することができます。

 

 

 

■ PCR検査では原因となる微生物が何なのかを調べることができます。

 

 

 

■ この猫ちゃんはウイルス性の鼻気管炎ということがわかり、猫用のインターフェロンが入った抗生物質の点眼、内服で抗生物質を処方いたしました。

 

 

 

■ 2週間後の再診時にはすっかり結膜炎も治り、鼻水も止まってくれていました!

 

 

 

 

■ 飼い主様がただの風邪と思わず、早めに連れてきていただいたおかげで悪化せず改善に向かってくれました。

 

 

 

 

 

★★★ 悪化しますと、通常猫ヘルペスウイルスの場合、教科書的には『 舌潰瘍が出来ない 』のですが、変異した猫ヘルペスウイルスでは、舌潰瘍が出来て食事をするのも痛くて食べれない事もあります。

 

 

★★ また、劇症型猫カリシウイルス性の猫カゼでは、短期間で死亡するケースが多いです。

 

 

 

★ 猫カゼを甘く見ない、と言う事を覚えておいて下さい。

 

 

 

■ 引き続き、再発がないよう注意して見守っていこうと思います。

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

 

 

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