【こんな症例も治りますシリーズ 688】 『 見逃しがちな 目ヤニの原因 : 化学性の角膜潰瘍 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の眼の表面を特殊染色したものです。

■ 緑色になっている部分が、角膜表面に傷がついている箇所です。

■ 飼主様が『まさか』と思える原因で、目ヤニが出ます。 ご注意下さい。

 

参照サイト:

https://00m.in/gsUJi

 

犬 トイプードル 7歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 朝起きたら目ヤニで、目が開かなくなってしまっていた 】ということで来院いただきました。

 

 

 

 

◆◆ 目ヤニの原因は、睫毛や体毛が眼球に触れてしまう物理的刺激、アレルギー、鼻と眼をつなぐ鼻涙管という管が閉塞してしまっている、など様々です。

 

 

■ 今回のワンちゃんも、この内のどれかが原因と疑い、細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査)、角結膜染色試験を行いました。

 

 

 

■ 角結膜染色試験は、角膜や結膜の上皮に欠損や傷がないかを調べる検査です。 その欠損部位、傷がある部位が、眼科用染色液で染まります。

 

 

■■ 今回の症例では、角膜上皮が全体的に均一に濃く染まりました。

 

 

 

※ よくよく飼い主様にお話をお伺いすると、前日にシャンプーをしたということでした。
そのため、シャンプー液などが目に入ってしまったことなどによる『 化学性の角膜潰瘍 』と診断しました。

 

 

 

■ 角膜を保護するヒアレイン点眼、抗生物質の点眼を使っていただいたところ、徐々に角膜潰瘍は改善し、今ではすっかりきれいに治ってくれました!

 

 

 

■ シャンプー剤が目に入ってしまうことは時々起こりえます。

 

 

 

■ また、ドライヤーの風により目が乾いてしまい、角膜表面の保護膜であるバリア機能が低下してしまうことも考えられます。

 

 

 

■ シャンプー後には生理食塩水やヒアレイン点眼などで洗眼してあげるようにすると、シャンプーに関連した眼のトラブルを予防できます。

■ また、シャンプー・トリミング前に、眼科用軟膏を目の表面に外用しておくのも良い予防方法です。

 

 

 

 

 

◆◆ 洗眼の方法など気になった方は、お気軽に獣医師にご相談ください。

 

 

獣医師 木島里衣

 

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