【こんな症例も治りますシリーズ 675】 『 セカンドオピニオン診療 : 他院で治らなかった猫ちゃんの嘔吐 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫ちゃんの小腸内に異食物がある状態と、摘出した異食物です。

■ 左の写真の右手から、金属の鉗子が出てきていますが、ピンク色の管状の小腸を指しています。

■ この部分に誤食して食べてしまった『異物』があります。

■ 右の写真は、摘出した異物です。

 

 

猫 ミックス犬 4歳 オス(去勢手術済み)

 

 

 

【 1週間前からの嘔吐が続いており、他院で治療するが治らない 】、ということで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 血液検査では著変ありません。

 

 

■ 画像検査では、単純レントゲン検査では異常ありませんでしたが、腹部の超音波エコー検査にて、小腸内に液体貯留と、一部にシャドーをひく、異物様陰影を認めました。

 

 

 

◆ 異物による小腸閉塞が疑われます。

 

 

 

■ 一般的に小腸閉塞があれば、レントゲンには閉塞部位に異常ガスが出てきます。

 

 

 

 

■ しかし、部分閉塞(液体やガスであれば通り抜けられる状態)であれば、小腸の異常ガスが検出されないこともあります。

 

 

 

 

■■ 飼主様と相談し、対症療法の後、開腹手術で異物摘出手術を行うこととしました。

 

 

■ 消化管用内視鏡にて、胃内に異常が無いことを確認した後、開腹し、小腸を探査してみると、やはり小腸遠位にて閉塞を認めました。

 

 

 

 

■ 小腸を切開してみると、『 家具の破片とみられるゴム片 』が出てきました。

 

 

 

■ 幸運なことに、症状が出てきてから時間が経っていましたが、小腸に壊死はなく、小腸切除の必要は無さそうでした。

 

 

■■ 小腸を縫合し、よく腹腔内を洗浄した後に閉腹縫合を行いました。

 

 

 

 

■ 術後、24時間で流動状の食事を与えたところ、よく食べてくれました! 無事に退院出来ます。

 

 

 

 

■ 今後も注意深く経過を見ていきたいです。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

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