【お困りではありませんか? シリーズ 24】 『 これからの時期、蚊が大量発生。 気をつけたいフィラリア感染 』について を紹介します

↑ 上の写真は、犬糸状虫つり出し術(心臓外科)です。

■ 犬糸状虫(フィラリア)は、オスとメスがいます。

■ 犬糸状虫は、オスの方がメスよりも小さく、先端の片方(尾部)はラセン状に巻いています。

■ 196日目のオス虫は全長16.4cmで、メス虫は26.8cmであり、心臓・肺動脈内に50虫体近く寄生する。

 

参照サイト:

https://00m.in/1vfW9

 

■■■ 『 意外と知らない フィラリア予防の 落し穴 』 編

 

 

■ あと少しで暑い夏も終わり、過ごしやすい秋がやってきますが、これからの時期、活動が活発になるのは人間だけではありません。

 

 

■ これまで暑さのため日陰でじっとしていた蚊も元気を取り戻して、飛び回り始めます。

 

 

 

■ 先日、ニュースで、『 蚊に刺される方が増えた、しかも何十か所も刺された 』と話題になっていました。

 

 

 

◆◆ 蚊に刺されると人間では、日本脳炎やテング熱に感染することが問題となりますが、ワンちゃん・ネコちゃんでは、『 フィラリア症 』が問題となります。

 

 

 

■ フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊が媒介する寄生虫(フィラリア)が、ワンちゃんでは主に心臓や肺の血管に寄生し、成長した成虫によって心不全などを起こす病気です。

 

 

■ 一方、ネコちゃんの場合、フィラリアにとって本来の宿主(本来の宿主であるワンちゃんでは、体の中でフィラリアは幼虫から成虫に成長します)ではないため、子虫により症状として呼吸困難がみられることから『 肺の病気 』と言われており、時に、突然死してしまうこともある恐ろしい感染症です。

 

 

 

■ しかし、しっかり予防していればこれらの病気は防ぐことができる疾患でもあるので、定期的な予防でフィラリア症から、ワンちゃん・ネコちゃんを守ってあげることができます。

 

 

 

◆◆ それでは、いつからいつまで予防薬を飲ませればいいのでしょうか?

 

 

■ 通常、蚊が出現する期間が5月上旬~11月下旬の場合、フィラリア予防期間は、4月下旬~12月下旬となります。

 

 

■ すなわち、4月の終わりには予防薬の投与を開始し、12月終わり頃が最終の投薬となります。

 

 

 

■■■ さて、ここで知っておいていただきたいことが二つあります。

 

 

 

■■ 一つ目は、『 フィラリア予防薬 』と言ってますが、実は薬の効果としては体内にすでに寄生しているフィラリアの子虫を駆除する『 幼虫駆虫薬 』なのです(フィラリアの成虫は弱まりますが、殺虫するほど効きません)。

 

 

 

■ 例えば、成虫により心不全が引き起こされるワンちゃんでは、蚊に刺され、フィラリアの子虫が、心臓内に侵入して成虫になるまで最短で50日と言われています。

 

 

■ したがって、1回目は蚊の出現から50日以内(実際は安心安全を考慮して30日毎、つまり1か月以内)に、フィラリアの子虫を駆除すればワンちゃんの『 フィラリア症 』に対しては、ベストな予防が出来るということになります。

 

 

 

※※ ネコちゃんの場合は、蚊に刺されたとしてもフィラリアの子虫は成虫まで成長しないので薬の効果が持続する、1ヶ月間隔で子虫を駆除すれば良いことになります。

 

 

 

 

 

 

 

■■ 二つ目は、フィラリア予防は『 完璧 』でなくては予防とは言えないことです。

 

 

 

 

■ すなわち、フィラリア予防期間中、毎月1回、漏れなく予防薬を投与できれば、その予防は『 完璧 』ですが、1回でも投与を忘れた場合、その月に感染してしまっている可能性は否定できないので、その予防は『 完璧 』ではなくなります。

 

 

■ また、何年もの間、予防薬の投与を欠かさず行っていたとしても、1回投与を忘れたために、今までのフィラリア予防は『 完璧 』ではなくなってしまいます。

 

 

■ したがって、決められた予防期間のフィラリア予防薬の投与は厳守して『 完璧 』を目指す必要があるのです。

 

 

■ ただ、そうは言っても、近年の温暖化や異常気象により、蚊の生息地拡大や生存期間延長の傾向があるため、フィラリア予防期間が前後する可能性は否定できません。

 

 

■ また、昨今の住宅事情により、昔に比べれば、一年中、室内は暖かく、蚊にとっても暮らしやすくなっています。

 

 

 

■ ですので、予防期間に不安を抱えてしまう飼い主様には、フィラリア予防をより確実に行うためにも、『 通年予防 』をお勧めします。

 

 

★★ 実際には、世界中の予防医学の流れは、『 寄生虫の12カ月間予防が標準化!!! 』になって来ています。

 

 

◆◆ 確かに、フィラリア症は、ワンちゃん・ネコちゃんとって怖い病気です。

 

 

■ ですが、幸いにもフィラリア症は予防が可能です。

 

 

 

■ ワンちゃん・ネコちゃんを『 完璧 』な予防で守ってあげてください。

 

 

 

◆◆ お困りなことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

 

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