【こんな症例も治りますシリーズ 628】 『 犬の僧帽弁閉鎖不全症の悪化 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の胸部レントゲン写真です。

■ 左が頭側で、右が尾側の『 胸部側面像 』です。

■ 中央の大きな白い部分は、大きくなった心臓です。

■ この心臓の右側に、灰色の部分があります。

■ これが『 肺水腫 』の部分です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/sbIcq

 

 

犬 チワワ 8歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 3日前から呼吸が悪い 】という事で来院されました。

 

 

 

◆◆ 診察室では、犬座姿勢はとれますが、呼吸様相は努力性で、舌にチアノーゼ(酸欠状態で粘膜が紫色)が見られました。

 

 

■ 呼吸器障害は明らかです。

 

 

■ 慎重に酸素を嗅がせながらレントゲンを撮影すると、肺野が真っ白く写っています。
また、心拡大も見られました。

 

 

 

■ 僧帽弁閉鎖不全症という病気で、現在投薬を行なっている既往歴があります。

 

 

 

◆◆ 『 心原性肺水腫 』を起こしています。

 

 

 

■ 救急状態ですので、早急な処置が必要です。

 

 

■ 利尿剤、降圧薬の投与を行いました。

 

 

■ 状態によっては、静脈留置を行い、強心剤などの投与を行いますが、飼い主様は入院を希望されませんでしたので、投薬が効果を示すまでのお預かりとなりました。

 

 

 

■ 血圧を測りながら投薬を行い、また酸素吸入を行なった所、3時間後には大分落ち着いてきました。

 

 

 

◆◆ 慎重に通院での経過観察を行なったところ、3日後には食欲、呼吸状態も安定しました!

 

 

 

■ 心原性肺水腫は急変する可能性が高く、また慎重に経過観察が必要な状態です。

 

 

■ 今後も慎重に経過を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

※ このワンちゃんの治療が上手くいった理由は、

 

 

1) 以前から、病気の早期から、心臓病の治療をしていた事です。

 

 

2) 心臓の左側にある『僧帽弁』という弁膜は、帆船の帆のようにロープで支えてもらっている膜です。

老化するとこのロープにGAGという成分がくっついてしまい、『千歳飴』のように『ポキッと折れやすい』状況になります。

 

 

3) 今回は、この複数ある僧帽弁のロープが1本か数本折れてしまった事で、弁膜がバタバタと制御不能状態になったのです。

 

 

 

4) 今回、更に良かった事は、心臓病の治療薬を飲んでいたので、『千歳飴状態のロープ』が少なかったのだと思います。 その心臓病悪化の予防をすることによって、『支えを少し失った弁膜は最悪の状態にはならなかった』のでしょう。

 

 

 

★ ワンちゃんの高齢化が進んでいます。 ですから、以前よりもワンちゃんの心臓病のモニター検査が必要です。

 

 

★ 私共は、皆様のワンちゃんのお困りごとを、『事前準備』である『心臓病の健診モニター』という面でも、解決していきます。 心臓病健診は常時行っていますので、お問合せ下さい。

 

 

獣医師 増田正樹

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