【こんな症例も治りますシリーズ 598】 犬の『 滑液嚢腫の可能性がある肘の腫瘤 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の左前肢の肘腫です。

■ 大型犬に多いハイグローマ(滑液嚢腫)です。

■ 今回紹介する症例は、病理組織検査では滑液嚢腫ではなかった珍しい症例でした。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/nbjjM

 

犬 アメリカンコッカースパニエル犬 9歳 メス(避妊手術済み)

 

 

 

【 左肘に出来た腫瘤がだんだん大きくなってきて、トリミングでキズ付けそうで心配 】という事で来院されました。

 

 

 

 

◆◆ そこで、麻酔下で腫瘤を摘出させていただく相談を始めました。

 

 

■ 身体検査でお口の中を見ると、歯石がたまっていました。

 

 

■ 飼主様にお伝えすると、腫瘤の摘出と同時に歯石取りも希望されましたので、今回は同時に2つの治療をさせていただきました。

 

 

 

◆◆ 9歳と言う年齢ですので、術前の検査を丁寧に行い、『 腫瘤摘出手術 』実施の後に『 歯石除去術 』を行いました。

 

 

■ 摘出した腫瘤は、『 良性の乳頭腫 』で治癒的な処置であったことが病理組織検査でわかりました。

 

 

■ 肘と言う場所は、伏せの姿勢をする際に、犬の体重が負重する部位であり、実は『 ハイグローマ 』と言う『 滑液嚢腫、肘腫 』が出来やすい体表部位です。

 

 

 

★ 肘のハイグローマは、大型犬種のグレート・デーン、アイリッシュ・ウルフ・ハウンド、グレー・ハウンド、セント・バーナードなどが好発犬です。 大型犬は、肘の皮膚に体重の負重がかかるので、ハイグローマが起こりやすいと言われています。

 

 

 

 

★ このハイグローマ(滑液嚢腫、肘腫)であった場合、『 伏せや、休む時 』に肘が硬い床やコンクリートなどで刺激を受ける環境を変えない限り、切除しても再発を繰り返す可能性が高いです。

 

 

 

★ 今回は、病理組織検査では、ハイグローマではなく、『 乳頭腫 』でありましたので、改めて誤診を防ぐためにも精密検査は必要だと認識できる、気付きの多い症例でした。

 

 

 

 

★★★ さて、歯周病菌が繁殖し、歯垢、歯石がたまると歯肉炎、歯周炎、口内炎の原因になります。

 

 

■ 歯周炎になると歯周病菌は血液を介して全身を巡り、心臓病、肺炎、関節炎など様々な疾患を引き起こす事が知られています。

 

 

 

■ 今回のように、一回の麻酔で歯石取りを含めて処置できるケースもありますので、皮膚にある脂肪腫や歯石について気になる方はご相談ください。

 

 

 

獣医師 天野 雄策

 

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