【こんな症例も治りますシリーズ 587】 猫の『 ボルデテラ・ブロンキセプティカ等の混合感染性肺炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上は、猫の気管支敗血症菌の写真です。

■ 左は、胸部レントゲン像です。 粗い画像ですが、中央にある心臓部分の上方に正常とは異なる肺炎像があります。

■ 右は、この菌で死亡した猫ちゃんの『肺』です。 赤い部分は、肺から出血している様子です。

 

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/41ypkQM

 

 

 

猫 アメリカンショートヘア 8カ月齢 オス(未去勢手術)

 

 

 

【 去勢手術のご予約日 】で来院されました。

 

 

 

◆◆ 術前の血液検査を実施したところ、白血球数が非常に増加していて、原因を追究する事が優先順位上位のため、手術を延期せざるを得ませんでした。

 

 

 

■ レントゲン検査をさせていただいたところ、気管支炎が見つかりました。

 

 

 

■ このネコちゃんは2ヵ月前、【 鼻水とクシャミが出る 】という事で来院し、抗生剤で治療されていました。

 

 

 

■■ よくお話を聞いてみると手術当日は特に異常は無さそうだったが、時々クシャミはしていたそうです。

 

 

 

■ 念のため【猫上部呼吸器疾患パネル】というリアルタイムPCR検査をしたところ、【猫カリシウイルス】と【ボルデテラ・ブロンキセプティカ】という細菌に感染していたことが判りました。

 

 

 

■ 【 猫カリシウイルス 】は発症しない場合も多いが、舌潰瘍が有名ですが、元気消失、発熱、クシャミ、 鼻汁漏出、流涙などの一般的な呼吸器症状に加えて肺炎に至る場合もある感染症です。

 

 

 

■■ 【 ボルデテラ・ブロンキセプティカ 】は発熱、発咳、鼻汁等を伴う軽度の症状から、呼吸困難を伴う重度の肺炎にまで至る感染症です。

 

 

 

★ この細菌は、『 気管支敗血症菌 』と呼ばれ、同属の細菌で【 ボルデテラ・パーツシス 】は人間固有の『 百日咳 』の原因菌として有名です。

 

 

 

★ 猫では、重症になり死に至る事もあるので、甘く見ないで直ぐに知識のある獣医師に診察してもらう事をお勧めします。

 

 

 

 

■■ 今回は抗生剤と、インターフェロン、抗生剤入りの点眼液で、症状が無くなるまでしっかり治療をさせて頂きました。

 

 

■ その結果、白血球数も正常にもどり、レントゲン検査で気管支炎も無くなり、無事に去勢手術を終えることが出来ました。

 

 

 

■ 軽度なクシャミや鼻汁でも、病気が隠れていることがあります。

 

 

 

 

★ 些細な事でも気になることがあればご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 天野雄策

Page Top