【こんな症例も治りますシリーズ 550】 犬の『 多剤耐性緑膿菌による慢性外耳炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、ワンちゃんの耳の炎症像です。
■ 左が当院の治療前の『外耳炎像』です。
※ 見た目では、マラッセチアというカビの炎症像に似ていますね。
■ 右が、多剤耐性緑膿菌に使う治療方法を行った後の『外耳像』です。

 

 

犬 ニューファンドランド 8歳 オス(未去勢手術)

 

 

【 今まで数カ月間治療をしてきたが、外耳炎が治らない 】ということで来院されました。

 

 

◆◆ 他院では抗生剤軟膏の外用治療と、経口の抗生剤治療を長期間行なっており、多剤耐性(多くの種類の抗生物質が効かない状態)の緑膿菌が出てしまった、との事でした。

 

 

■ 緑膿菌は、各種抗生剤に耐性を示す傾向が強く、動物病院の臨床現場で問題になっている細菌(バイキン)です。

 

 

■ 外耳道検査をしてみると、左耳道がかなりウェット(湿っぽい状態)で、耳道が狭く、炎症が起こっています。

 

 

 

■■ 治療方針としては、まず耳垢の培養検査を再度行い、効果的な抗生剤を探すことと、『 特殊薬A 』という洗浄液を用いて、しっかりと耳洗浄を行うこととしました。

 

 

※ 『 特殊薬A 』とは、抗生物質ではないのですが、細菌に対する特殊作用があり、耳道内のpHを調整し、細菌を減少させます。

 

 

 

■ さらに点耳薬として抗炎症剤を使用して、耳道内の炎症を取る治療計画を立てました。」

 

 

 

■ しばらく洗浄液療法と抗炎症剤の外用療法で治療して、細菌培養検査結果が出たところで、その検査で判明した有効な抗生物質で治療をしました。

 

 

 

 

■ すると、治療開始から3週間ほどで、ほぼ耳垢が出なくなり、匂いもしなくなりました!

 

 

 

 

■ 今までの前医での治療は、何をしても治らなかったのですが、今回の治療によって劇的な変化があり、飼い主様にもお喜び頂けました。

 

 

★ もちろん、ワンちゃんも気持ちが良さそうでした。

 

 

 

■ これからも定期的に耳道をケアし、再発を避けたいと思います。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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