【こんな症例も治りますシリーズ 501】 猫ちゃんの尿管結石 も適切な診断と治療で治します

上のイラストは、ヒトの腎臓と尿管結石と膀胱です。
■ 右側の腎臓と尿管は正常です。
■ 左側は、尿管結石のために水腎症が起きているイラストです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3yUjb6p

 

猫 4歳 メス(避妊手術済み)

 

【 尿管結石の疑いがある 】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、元々、小さい頃から尿路系疾患を繰り返していて、近院に通っていたのですが、2週間前に血尿がみられたので、いつもの近院で診てもらったところ、尿管結石と尿管狭窄があるとのことで点滴とお薬で、血尿は治りました。

 

 

■ しかし、3日前から急に食欲がなくなったことから当院に来院されました。

 

 

 

■ 尿管とは腎臓で作られた尿を膀胱へと運ぶ管状の通り道で、尿管結石とはその尿管に結石がある状態のことを言います。

 

 

 

■ 腎臓で作られた尿が結石によってせき止められ、腎臓や尿管に尿が貯まり拡張します。 特に腎臓のそのような状態を水腎症と言います。

 

 

 

■ 尿管結石の症状でよくみられるのは食欲不振と元気消失です。 他には血尿や頻尿など排尿の異常がみられたりします。 また、尿管結石のある猫では腎結石もよくみられ、腎結石が尿管へと流れて尿管結石となることもあります。

 

 

 

■■ さて、このネコちゃん、当院でも、血液検査、レントゲン検査、超音波検査をおこないました。

 

 

 

■ 血液検査での腎パネルの数値はそれほど高くないのですが、画像診断(レントゲン検査、超音波検査)で左右の腎臓に腎結石、左側の腎臓が水腎症、尿管に尿管結石が認められました。

 

 

 

■ 通常、尿管結石が見つかった場合、外科的治療が第一選択となりますが、今回は幸いにも、全身や内臓、血液の状態が良好であること、腎結石が両側にあるため摘出しても再度、尿管結石になる可能性があること、そして何よりも飼い主様が内科的治療法を強く希望されたことより、輸液療法と漢方薬で結石を膀胱へと通過しやすくするとともに、ドイツ自然医学療法により、水腎症に対する治療を試みることにしました。

 

 

 

■■ さて、通院による治療は始まったばかりで、少なくとも1~2週間は、水腎症や腎障害の悪化、感染症などの状態を治療と並行して定期的に検査する必要がありますが、3日目に来院されたとき『 食欲がすっかり元にもどり、元気になりました 』と飼い主様が嬉しそうにお話下さいました。

 

 

■ これからも飼い主様と一緒にネコちゃんを見守っていけたらと思います。

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

獣医師 泉 政明

 

 

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