【お困りではありませんか? シリーズ 12】 若い時からの健康診断って? いつからすれば・・・ 賢い飼主様の役に立つ健康診断術  を紹介します

 

参照サイト:

https://bit.ly/3KpAGyi

 

■■■ 「ペットショップに来ている獣医師さんは聴診器だけで・・・」:

 

 

■■ いつから? どの方法の健康診断が良いのか? お悩みの方もおられます。

 

 

★ まず、ペットショップの健康診断の獣医師は、ほとんどの先生が報告書を書かれているので、その用紙を見ますと『聴診器以外の検査もしていますから、ご安心下さい』。

 

 

★ ただし、血液検査などは行っていない事が多く、ペットショップさんと獣医師との検査項目の契約の問題だと思いますが、販売されてからシッカリとした施設の整った動物病院で行って下さいと言うスタンスのところが多いですね。

 

 

 

 

 

◆◆ では、適切な健康診断はいつから行った方が良いのでしょうか?

 

 

 

その答えは、【 若い時から健康診断を 】 がお勧めです。

 

 

 

◆ 春は予防のシーズン。 フィラリア、ノミダニ、寄生虫。 当院にもたくさんの飼主様が検査に来院され、予防薬をお持ち帰られます。

 

 

■■ 先日も3歳、メス(避妊済)のワンちゃんが来院されました。 例年通り、フィラリアの検査をして予防薬をお持ち帰られる予定でした。

 

 

 

■ このワンちゃんはまだ若いのですが、体重が少し重めであったことから、血液の健康診断も薦めて実施させて頂きました。

 

 

■ すると、その結果。 総コレステロールと中性脂肪がかなり高いことが判明しました。

 

 

■ 総コレステロールと中性脂肪と言えば、メタボ(メタボリックシンドローム)。 知らずに放置しておくと、一番被害を受けるのが『肝臓』ですが、膵臓や心臓や肝臓の慢性疾患を引き起こしたり、まれには動脈硬化が進みます。

 

 

■ このワンちゃんは健康診断当日にご飯を食べてきていたので、改めて朝食抜きで再検査となりました。 再検査では、総コレステロールが高く、中性脂肪は少し高いことが判りました。

 

 

 

 

■■ 高脂血症は、原発性と続発性に分けることが出来ます。

 

 

■ 原発性は、遺伝的に総コレステロールおよび中性脂肪またはそのどちらかが高く、犬種としてミニチュアシュナウザー、シェットランドシープドッグ、ビーグルやトイプードルなどが知られています。

 

 

■ 続発性高脂血症の原因として、甲状腺機能低下症が最も多く、その他に副腎皮質機能亢進症、膵炎、閉塞性肝疾患、腎臓病などがあり、鑑別診断が必要です。

 

 

■ 今回のワンちゃんは、さらなる血液検査、画像診断から高脂血症以外の病気は見つからず、原発性高脂血症の診断となりました。

 

 

■ 高脂血症の治療法として、食事療法(低脂肪・高繊維食)、サプリメント、薬物療法があります。

 

 

■ 今回のワンちゃんは、薬物療法を実施するほどの高い数字ではなかったことから、まず、食事療法として低脂肪食をお勧めし、少しずつ総コレステロールの数値も下がり始めています。

 

 

 

 

 

 

◆◆ たぶん、この子は1歳齢以内の時から適切な血液検査などの健康診断を行っていたら、、、 苦労をしないで済んでいた事でしょう。

 

 

■ 病気は早期発見・早期治療が大切です。 若いうちから健康診断を実施しましょう。

 

 

獣医師 天野 雄策

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