【お困りではありませんか? シリーズ 10】  猫の心因性脱毛の治療方法 を紹介します

上の写真は、猫ちゃんの心因性脱毛の様子です。
★ 右脇腹や右のオシリの部分の毛が薄くなっているのですが、分かりますか?
★ 脱毛のパターンが、左右非対称になっている場合、心因性脱毛を疑います。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3L5rP4L

 

■■■ 「 猫の心因性脱毛の治療方法 」

 

 

■ 「先生、うちの子、同じ場所を舐めてばかりいるんです」 「先生、毛が抜けて、気が付いたらハゲていたんです」
飼い主様から、よくいただくお話です。

 

 

■ 猫ちゃんでは、過剰なグルーミング(毛繕い)を行った結果、体の一部あるいは全体の毛が薄くなってしてしまうことがあります。

 

 

■ この過剰なグルーミングによる病気は、「舐め壊し」「舐性皮膚炎(じせいひふえん)」ともいいます。

 

 

 

★ その名の通り、猫ちゃんが同じところを毛が抜けるほど舐め続ける状態のことで、その結果、脱毛してハゲができてしまうこともあります。 場所としてはお腹や後足、内もも、お尻、背中などの舐めやすい部分に見られます。

 

 

 

■ 基本的にグルーミングは、体を衛生的に保ち、機能維持のために行い、換毛期(春と秋頃)に回数が増えると言われています。

 

 

★ グルーミングは、猫ちゃんだけでなく、そのほかの動物もグルーミングは行います。
ですが明らかに猫ちゃんは、ほかの動物よりも、グルーミングの頻度が多いのですが、回数が増えた他に、イライラしながら舐める場合や、同じ箇所を執拗に舐めている場合には注意が必要です。

 

 

 

■ 過剰なグルーミングの原因としては、

 

 

 

① ノミやダニなどの寄生虫、細菌・カビなどの感染症、また食事アレルギーやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患

 

 

なにかしらの皮膚病を患っている場合にも、猫ちゃんは過剰なグルーミングをすることがあります。
猫ちゃんの皮膚に何らかの異常があって「かゆい」とき、身体を掻くだけでなく、繰り返し舐めて治そうとします。

また、このような皮膚病以外にも、甲状腺機能亢進症などといった病気によって、過剰グルーミングを行うこともあります。

 

 

②「心因性ストレス」

 

 

猫ちゃんの過剰グルーミングの原因のほとんどが「心因性ストレス」と言われています。

 

生活環境の中でほかにストレスを発散できる場所や物があれば良いのですが、そのような環境が整っていなければ、過剰なグルーミングによって気持ちを落ち着かせようとします。

 

例えば、「生活面環境中のストレス」とは

 

 

・「赤ちゃんが生まれた」「新入り猫がやって来た」
・「家具の配置を変えた」「工事の音がうるさい」
「トイレが汚れている」「他の猫ちゃんのニオイがする」
・「新鮮な空気や日照不足」

 

 

また、その他、充分に運動不足でストレスを感じてしまいます。また、肥満になってしまうと、自由に動けないストレスから過剰グルーミングに発展することもあります。

 

 

 

■ 当然、皮膚疾患による過剰なグルーミングの場合は、まずはそれぞれの原因にあった治療法をほどこすことで、皮膚疾患を治すことが必要となります。

 

 

 

 

■ 一方、心因性ストレスの過剰なグルーミングの場合は、特定部位を集中的にグルーミングするような欲求(ストレス)を除去し、自己誘発性の皮膚損傷を起こさないようにすることです。

 

 

★ 例えば、猫同士の隔離、休息場所の確保、トイレの増設、十分な運動の確保などを行います。 きっかけが除去できない場合は、飼い主さんとのコミュニケーションを増やしたり、グルーミングを開始したら気を逸らすため、玩具をあたえて遊ばせるようにします。

 

 

■ なかなかきっかけを特定することは難しい事も多いので、猫ちゃんが暮らしやすい環境づくりを工夫してあげることが重要です。

 

 

 

■ また、猫ちゃんに安心感を与えるサプリメントやフェイシャルホルモンを拡散させる商品で効果のみられることもあります。

 

 

 

■ 猫ちゃんのグルーミングが何かおかしいと思ったら、お気軽にご相談ください。

 

 

獣医師 泉 政明

 

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