【こんな症例も治りますシリーズ 486】  ワンちゃんに容疑がかけられた手袋紛失事件 も適切な診断と治療で治します

上のレントゲン像は、ワンちゃんのお腹の姿です。
★ 胃の中や腸管に、『オモチャの骨』や『石』がたくさん入ってますね。
★ これは、内視鏡では取れません。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3Htf2Ha

 

犬  ボーダーコリー 2歳 オス (去勢手術済み)です。

 

 

【 1ヶ月前に手袋を飲んでしまったかもしれない 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 1ヶ月前に『 家族が留守中に、子供用の手袋が無くなったことがあったが、まさかこのワンちゃんが食べたとは思わないでいた 』という、飼主様が連れて来られたワンちゃんです。

 

 

■ よく飼主様の靴下などをカミカミしているワンちゃんなので、家族内で『 子供用の手袋紛失事件の容疑 』がその子にかかった、との事でした。

 

 

■ それきり、ワンちゃんは何の症状もなく過ごしていましたが、やはり飼い主様が心配になり診察することになりました。

 

 

 

■ 特殊な造影検査で胃の中に手袋がありそうなことがわかったので、まずは内視鏡で摘出を試みましたが、胃の胃酸で固くなり膨張した手袋は取れませんでした。 

以前にも、24時間経った軟式テニスのボールも同様に硬くなってしまい、取れなくなってしまいました。

 

 

■ そのため、次善の策として準備していた、『 開腹手術で胃の切開手術を行い、手袋を摘出 』をさせて頂きました。

 

 

 

■ 胃の切開手術は入院が必要になりますし、胃の切ったところが安定するまでは療法食を食べないといけません。

 

術後管理も抜糸まで必要になります。

 

 

 

■ この子は無事に帰宅しましたが、家庭内で異物の誤食をさせないためにも飼い主様が気をつけないといけません。

 

 

■ 胃で異物が止まっていた今回のケースは、運が良かったと言えます。

 

 

■ 大きなものが腸に詰まってしまうと、重篤な症状になり命の危険があります。

 

 

 

獣医師 落合勇吏

 

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