【こんな症例も治りますシリーズ 484】 ネコちゃんのヒモ状異物の誤食 も適切な診断と治療で治します

上のレントゲン像は、猫ちゃんのお腹を横から見た姿です。
★ 白い部分は、バリウムを消化管に造影したところで、『ヒモ状異物』が写っています。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3K7QCFb

 

猫  ミックス猫 2歳 オス (去勢手術済み)です。

 

 

【 おもちゃのネコじゃらしの先についているプラスチックが無くなっている。 飲み込んでしまったかも知れない 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ まず、お口の中を診させていただいたところ、上あごにプラスチックがぴったりハマるようにくっついていました。

 

 

 

■ 幸い、簡単に取り出すことができ、飼い主様に確認していただいたところ、無くなっていたプラスチックそのものでした。

 

 

■ これでめでたし解決となりましたが、プラスチックがついていた紐(ひも)についても確認させていただきました。 紐については買ったままの長さで残っていたので、誤飲はなかったようでした。

 

 

 

◆◆ なぜ紐について確認させていただいたのか?

 

 

■ ネコちゃんは、ワンちゃんよりも異物の誤飲は少ないですが、ネコちゃんで危ない誤飲(誤食)の原因として、『 紐状異物 』があります。 ネコちゃんは紐状のもので遊ぶことが大好きなので、うっかり口にしてしまうのです。

 

 

 

■■ 紐状異物を誤飲したネコちゃんは、『 口の中または肛門に紐が出ていることがあります 』が、引っ張らずに、すぐに動物病院に連れていってあげてください。

 

 

 

■ 紐状異物を飲み込んでしまった直後であれば、内視鏡で取り出してあげることも可能ですが、時間が経ってしまった場合は紐が腸管に引っかかって、腸管を破って腹膜炎を起こしたり、腸運動が機能しなくなったりして大変危ない状態に陥ることがあり、開腹手術が必要な場合があります。

 

 

■ 紐状異物を誤食しないよう、紐状のものをネコちゃんの周りに放置しないよう、気を付けてください。

 

 

 

※ ちなみに、舌の裏側にヒモが引っかかって、反対の先が胃の中にある時もあるので、ご注意下さい。
この場合は、食道にヒモが食い込むことがあります。 食道の手術は、本当に難しいので、早めの治療が必須です。

 

 

 

■ また何か異物を口にしてしまった場合は、すぐに動物病院に連れてきてください。

 

 

 

★ 素人判断は、危険です。

 

 

獣医師 天野雄策

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