【こんな症例も治りますシリーズ 470】 ワンちゃんの免疫介在性血小板減少症(ITP) も適切な診断と治療(特殊医療)で治します

上の写真は、ワンちゃんの腹部の皮膚です。
★ 紫色の点状・斑状のドットポイントになっている部分が分かりますか?
★ この部分は、皮下出血が起こっている部分です。
★ 日頃から、このような病変が無いか、皮膚を良く見ておいて下さいね。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3sImxqj

 

 

ミニチュアダックスフンド 11歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 2週間前から黒色便で、他院で治療するが、食欲までなくなる 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 当院は、本当にセカンドオピニオン診療を希望されて来院される方が増えました。
そして、当院は通常とは別角度の動物医療を持っているので、治る事が多いのです。

 

 

 

■  一般身体検査で腹部に紫斑(青アザ)が…

口腔内の粘膜にも紫斑が出来ています。

 

 

 

■ この紫斑は点状出血の皮下出血といい、血小板の異常に特徴的な所見です。

 

 

■ 血液検査を行なってみると、血小板数はほぼゼロ、また重度の貧血も見られました。

 

 

 

■ 貧血については、黒っぽい便をしていることから、胃や小腸といった上部消化器官からの出血が疑われます。

 

 

■ 出血の原因としては血小板数の減少に伴う止血異常を、この場合には疑います。

 

 

 

■■ 複数の検査を行い、上部消化管出血および、免疫介在性血小板減少症と仮診断しました。

 

 

 

★ 免疫介在性血小板減少症は、自己免疫が血小板に対する抗体(免疫が異物を排除するシステム中で働くもののひとつ)を作ってしまい、その抗体が血小板の表面に結び付き、血小板が破壊されることにより起こります。

 

 

### 簡単に言えば、血中の血小板に対する自己免疫の異常な反応です。 薬剤や腫瘍による反応でも起こり得ます。

 

 

 

■ 治療は、副腎皮質ホルモンのステロイドなどの免疫抑制剤が必要になります。

 

 

■ 重度の貧血を起こしており、輸血も行う事としました。

 

 

 

 

■ 輸血、ステロイド剤の投薬、上部消化器官に対しては胃粘膜保護剤の投薬も行い、入院治療としました。

 

 

 

■■■ しかし、2日後再度の貧血…

 

 

 

■■ 出血のコントロールが難しい状態です。

 

 

 

 

■ 2度目の輸血と同時に、動物の『 再生医療 』を行う事としました。

 

 

 

■ 当院では、今回は特殊な幹細胞培養上清液の治療を用います。

 

 

 

■ この上清液は、生理活性物質やサイトカインを豊富に含んでいます。

 

■ サイトカイン(成長因子など)とは、細胞から分泌されるタンパク質で、細胞同士の情報伝達のほか、細胞の増殖、分化、創傷治癒などに関係しています。

 

■ 今回の場合は、免疫調節を期待しました。

 

 

 

■■ 治療開始1週間後、貧血は改善、血小板数も回復してきてくれました!

 

 

■ 今では自宅で食欲も旺盛、元気いっぱいだそうです。

 

 

■ かなり危険な状態から、再生治療も取り入れて、快復してくれた症例でした。

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

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