【こんな症例も治りますシリーズ 462】 ワンちゃんの 飼主様が困る椎間板ヘルニア も適切な診断と治療で治します

椎間板ヘルニアのイラストです。 右のタイプは、外科では治りにくいと言われていますが、当院は手術のコツを知っているので成功率が高いです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/2wFqJIP

 

犬 ミニチュアダックスフンド、6歳、オスです。

 

 

【 前日の夕方から元気が無く、ふらついてあまり動こうとしない 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 身体検査にて両後肢の動きが悪く、完全麻痺ではない不全麻痺が見られました。

 

■ 前夜に夜間病院にもかかられていて、痛み止めが処方されていたので背中の痛みは見られませんでした。

 

 

■ 神経学的検査とレントゲンで背骨の骨同士の間が狭くなっている像が見られたことから、椎間板ヘルニアが疑われ、グレードⅢと診断されました。 (グレードについては、後で説明します)

 

 

■ 犬の背骨はたくさんの椎骨という骨が連なって構成されています。

 

 

■ その椎骨と椎骨の間には椎間板と呼ばれる薄い軟骨性の物質があります。 椎間板は背骨に加わる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。

 

 

■ この椎間板に強い衝撃が加わったり、老化などで椎間板が変性して弾力性を失ったりすると、椎間板が背側に飛び出して脊髄や神経を圧迫し、色々な症状があらわれます。 これが椎間板ヘルニアです。

 

 

 

■■■ 椎間板ヘルニアは以下のグレードⅠ-Ⅴに分類されます。

 

グレードⅠ  : 痛みのみ

 

グレードⅡ : 不全麻痺(歩行可能)

 

グレードⅢ  : 不全麻痺~全麻痺(歩行不可能)

 

グレードⅣ  : 全麻痺、自力排尿可か不可、足の痛み(痛覚)はあり

 

グレードⅤ   : 全麻痺、自力排尿不可、足の痛覚の消失

 

 

 

■ 治療はグレードⅣ以降は、精密な画像診断を実施したのちに早期の外科的治療が必要になる場合が多いですが、グレードⅢまでは内科的治療(安静や消炎鎮痛剤の処方、鍼)を行っていくことも多いです。

 

★★★ 当院は、外科療法だけでなく、特殊な内科療法の両方が出来る病院です。

■ 今回のワンちゃんはグレードⅢということで、飼主様と相談して入院による絶対安静と鍼治療を進めていくことになりました。

 

■ 今回は鍼治療によく反応し、1週間後には完全ではないものの歩行可能になり、通院治療になりました。

 

 

■ 通院治療では、ウルトラフォトニックバランサー(UPB)療法を選択させていただきました。

 

■ UPB療法は、キセノンという特殊光線を、特殊な物質を通過させて、3か所以上のツボに照射します。

キセノン光は体の深部にまで到達し、細胞を活性化してくれます。筋肉や神経に作用し痛みも軽減します。

 

 

 

■ ご家族の協力もあり順調に回復し、約2週間後にはいつも通りに歩く事が出来るようになりました。

 

 

■ ただ、今後も同じようなことを起こすリスクがありますので、できる限り激しい運動を制限するようにお願いしました。

 

 

 

■■■ 椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種として、ダックス・フンド、コーギー、シーズー、ビーグル等が知られています。

 

 

■ 何か歩行状態が変だなと気付かれた場合、すぐにご来院ください。

 

 

獣医師 天野雄策

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