【こんな症例も治りますシリーズ 386】 猫の慢性胆管肝炎 も 適切な診断と治療で治します

猫ちゃんの肝臓病は多いです。 特に、胆管肝炎が多いのが特徴です。 イラストの焦げ茶の臓器が、肝臓です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/2II7IyS

 

 

日本猫 7歳 メス(避妊済)

 

【 元気が無く、だるそう 】との事で来院されました。

 

 

■ 飼い主様からお話を伺ってみると、前は元気に走り回っていたのに、この夏くらいから食欲はあるけどじっとしている事が多くなってきた、との事でした。 

 

■ それで近医で診てもらったところ、肝障害を起こしているとの事で入院(お腹を開き肝臓から組織をとってきて病理学的検査をしたところ「リンパ球性胆管肝炎」と診断)。

 

■ 退院後もステロイド剤等による治療を続けてきたけれども、なかなか症状が治らず、ホームページを見て当院で一度診てもらう事にした、との事でした。

 

 

■ ネコちゃんでは、胆管炎は比較的一般的にみられる疾患です。 周囲の組織に炎症性細胞の浸潤が認められる疾患で、主体となっている炎症細胞によって「好中球性」と「リンパ球性」に大別されます。 前者には腸内細菌の感染、後者は免疫学的な機序によると考えられています。

 

 

 

■ さて、当院でも血液検査、エコーを実施し、また飼い主様から見せて頂いた上述の病理学的診断などを参考に総合的に評価したところ、「 慢性胆管肝炎(リンパ性) 」と診断しました。

 

 

■ 治療としては、通常コルチコステロイドを中心とした免疫抑制療法が行われますが、このネコちゃんの場合はそれでも良くなっていない事から、当院で以前から行っている「再生医療」の抗炎症治療に用いることにしました。

 

 

■ 数日後、来院いただき血液検査を行ったところ、これまでなかなか下がらなかった胆管、肝臓の障害を示す酵素の一つであるALP・ALTが激減していました。

 

 

■ まだ正常値ではありませんが、飼い主様によると前ほどではないけど元気がでてきたと嬉しそうにお話しして下さいました。 まだ治療は続きますが、ますます猫ちゃんが元気になるよう、飼い主様と一緒に頑張っていければと思います。

 

 

 

■ セカンドオピニオン診療科として、当院をご活用頂く方が増えてきました。

気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

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