【こんな症例も治ります シリーズ 333】 長引く皮膚のかゆみ も 適切な診断と治療でコントロールします

かわいそうですね。 目の周りと耳や口も赤く腫れています。 特徴的な症状ですね。

 

参照サイト:

https://bit.ly/2rwk8l5

 

犬 1歳8ヶ月 メス

【 両目周りと首周りに、かゆみと脱毛がある 】という主訴でいらっしゃいました。

■ 「皮膚のかゆみ」の原因を探るためには、まずダニや細菌、カビなどの感染が無いかを第一に調べます。 この子は、そのような感染は見られず、ノミダニの予防もしっかりしてくれていました。

■ 感染が無い場合、次に疑われるのは「食物アレルギー」と「犬アトピー性皮膚炎」です。いずれも、本当は体に害のないものに対して過剰に体が反応してしまう「アレルギー疾患」です。

(※この段階では、まだ皮膚の腫瘍が原因で痒い可能性も否定できません)

アレルギー疾患があるかどうかを決定づけるには、原因になっている「アレルゲン」に触れないようにしてもらい、症状が出なくなるかどうかを見るのがベストです。

■ 「食物アレルギー」の診断と治療のために、

食事を、アレルゲンとなる「蛋白質」が含まれていない特別なご飯のみに変更してもらいました。 これを2ヶ月間徹底的に続けてもらうことにしました。 そうすることで、体の中にある食べ物が原因のアレルゲンを徹底的に無くすことができます。

■ また、「犬アトピー性皮膚炎」によく効くかゆみ止めを飲んでもらい、おうちでは埃やタバコなどのアレルゲンとなりやすいものから徹底的に離して生活してもらいました。

■ このように、お食事と環境を変え、かゆみ止めのお薬を飲んでもらったことにより、1週間程で症状は落ち着いてくれました。

■ 今後は、症状と照らし合わせてお薬の量を少しずつ減らし、痒みが再発しないかどうかを見ていくことで、「食物アレルギー」と「犬アトピー性皮膚炎」のどちらかのみが原因なのか、どちらも関わっているのかを診断し、長期でコントロールできるようにしていきます。

■ わんちゃんの皮膚の痒みはとてもつらいものです。症状に気づいたら、早くコントロールして、楽にしてあげたいですね☆

獣医師 田中聖心

Page Top