【こんな症例も治ります シリーズ301】   ウサギさんのおなかの腫瘤(しこり・がん) も的確な治療でコントロールします。

ウサギさんのCT検査も可能です!

写真提供:

キヤノンメディカルシステムズ株式会社様

 

うさぎ ネザーランドドワーフ 8歳 メス

 

【 他院から膵臓辺りに“しこり”があると言われ、CT検査の紹介 】で来院されました。

 

■ 症状は血尿のみで食欲元気は問題ありませんでした。

 

■ 症状は血尿なので、その原因としては泌尿器疾患(腎臓・膀胱)か子宮疾患のどちらかが疑われます。

 

■ 膀胱炎であれば、抗生剤で良くなることが多いので、1週間処方させてもらいましたが血尿に変化はありませんでした。

 

■ うさぎのメスは歳をとってくると子宮の病気になりやすく、中でも子宮腺癌が多いと言われています。 その場合、外科的に子宮と卵巣を切除しなければなりません。

 

■ そこで、無麻酔でCT検査を行いました。

 

■ うさぎの場合、麻酔は犬・猫よりもリスクが高いので、ボックスに入れて周りをタオルで埋めてあげることで動きづらくなりますので、安全にCTを撮影することが出来ました。

 

体も小さいので一瞬です。

 

■ CT検査の結果、やはり子宮に2か所しこりがあることが分かりました。

腎臓・膀胱は特に問題ありませんでした。

 

■ 子宮腺癌の可能性が高いことと腹腔内に播種(転移して複数の箇所に拡がること)を起こして癒着している場合、切除不可能となる事もあることを了解して頂き、オペに踏み切ることになりました。

 

■ 麻酔はうさぎ専用の気管チューブを使用し、安全に行えました。

 

■ 実際のオペでは癒着はなく、卵巣も異常はありませんでしたが、左右の子宮にしこりがありました。

■ 病理組織学的検査の結果、やはり子宮腺癌でした。

 

■ 今後、腹腔内(お腹の中)に転移しないか心配ですが、オペ後は血尿もなくなり元気です。

 

■ ウサギさんで血尿が出たら様子を見ずに、早めに診察することをお勧めします。

 

◆◆◆ 今回はCT検査により早期に診断し、治療に繋がった症例でした。

 

獣医師 野村竜哉

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