【こんな症例も治ります シリーズ292】 猫の消化器型リンパ腫 も 適切な診断と治療で治します。

 

 

 

15歳不妊手術済みのメスの猫ちゃんです。

 

【 慢性膵炎の罹患歴があり、時々嘔吐を繰り返している 】猫ちゃんが来院されました。

 

■ 定期エコー検査にて、小腸の一部分の腸管壁が徐々に厚くなっているのと、付近のリンパ節が腫大している事が確認されました。

 

■ それと共に腸の動きも悪くなり、便が出にくい、食欲の低下、嘔吐、貧血などの体調悪化が見られたため、エコー検査機器を使って、モニターガイドをしながら腸管の肥厚部およびリンパ節の、細胞を針で取って調べる検査(針生検)を行いました。

 

■ その結果、【 未分化の消化器型リンパ腫 】と診断されました。 この病気については、あとで説明します。

 

■ 猫の消化器型リンパ腫は、高齢の猫ちゃんに発症することが多い腫瘍です。 腸管壁が肥厚することによって、腸の内容物の通過が悪くなり、便秘などが生じたと思われました。

 

■ 未分化型のリンパ腫は、抗がん剤による治療に対して良い反応がみられるため、早速投与を開始いたしました。

※ 投与した翌日から食欲が上昇しはじめ、排便も以前のような大きな便が出るようになりました。

 

■ 現在は定期的な抗がん剤治療と点滴、そして免疫力をアップさせるためのオゾン療法を行っています。

治療開始から一ヶ月が経ちますが、食欲旺盛になり、減っていた体重も戻り、貧血も改善傾向にあります。

 

■ エコー検査でも、腸管壁の肥厚はほとんど分からなくなっています。

 

※ 完治することは難しいと思いますが、症状を緩和して少しでも長く飼い主様との楽しい時間を過ごしていただけたらと思います。

 

獣医師 新美綾乃

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