【 こんな症例が治りますシリーズ274 】 犬の慢性の貧血も 適切な診断と治療で治します

犬の歯茎です。 白っぽくなっていますね。 健康時はピンクです。

参照サイト:

http://urx.blue/ZJK3

 

犬 11歳 去勢オス

 

【今回は「貧血」】という事で来院されたワンちゃんです。

 

■ 近医で健康診断を受け、貧血が見つかったワンちゃんです。 当院でも改めて貧血の検査をすると、正確には【非再生貧血】という状態であることが分かりました。

 

 

■ 一時的に血液が減少しても、貧血を自身で補おうとしているものを【再生性貧血】、身体が血液を作れず貧血になっているものを【非再生性貧血】と呼びます。

 

■ 【非再生性貧血】の原因には栄養性、ホルモン性、骨髄性など様々な物がある為、原因をしっかりと見極める必要があります。 今回は、年齢や他の血液検査の結果から疑っていた甲状腺の検査を行ったところ、【甲状腺機能低下症】が基礎疾患としてある事が判明いたしました。

 

■ 【甲状腺機能低下症】は7歳ごろから発生が多くなってくる病気で、全身の代謝をおこなうホルモンが作れなくなる病気です。

若い頃より元気がなくなった、食欲はいまいちだけど太りやすくなった、フケが増えたなど、年齢が上がったのでしょうがないと症状を見落としている場合が多いです。

 

■ 他にも難治性の皮膚疾患、脂質の代謝異常から起こる膵炎、麻酔後に目覚めないなど、命に関る状態になることがあるため注意が必要です。

 

■ しかし、甲状腺ホルモンの数値をモニターしながらお薬を飲ませて行けば、普段と変わらない生活が出来るようになるのでご安心ください。

 

 

■ 体調不良ではないけど、最近、昔ほど元気がないなと、感じることがあれば一度ご相談ください。 もし、甲状腺機能に異常がなくても、【未病】の状態であるため、当院が力を入れている先制医療やアンチエイジング療法で元気さを取り戻せる場合があります。

 

■ これらの治療とモニターを重ねた結果、貧血も正常に戻りました。

 

■ 当院では、貧血に対しては骨髄性のトラブルも多いと考えますが、その他にも原因が多いので、他の原因を見失わないように、しっかりとした考えの検査方針で診療を行っております。

 

ご安心下さい。

 

獣医師 冨田 浩平

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