皮膚科専門外来担当の冨田です。
今回は精神的な脱毛についてです。
精神的な脱毛(心因性)は特にネコちゃんで問題になることが多いです。
猫ちゃんにストレスが加わると過剰なグルーミングが起こることがあります。脱毛と呼ばれてはいますが、実際には猫のザラザラしている舌で舐める事で、毛が根元から切れているような状態になります。
ツルツルになるまで舐める為、一見すると脱毛しているように見えますが、顕微鏡で毛を見るとちぎれているのが分かります。
初期症状は皮膚に炎症が無い(赤くない)のに舐めている事が多く、舐めていないのに脱毛するホルモン疾患や皮膚に炎症が起きてから舐め始めるアレルギーと異なります。もちろん心因性の脱毛も時間が経てば皮膚に炎症が起こるため判断が難しくなります。
心因性の脱毛は他の病気(感染症、ホルモン疾患、アレルギーなど)を除外したうえで、ストレスの原因となるものを見つける事で診断します。トイレの変更や部屋の模様替えなど、『そんなものでストレスを受けるのかというもの』があるので原因の探索は慎重に行う必要があります。
原因が判明したらそれを改善すると共に、不安感が無くなるような治療を合わせて行うことで症状が落ち着いていきます。
皮膚病は気温が上がるにつれて悪化する場合も多いので涼しい時期にしっかり治療をして備える必要があります。スッキリ治らない皮膚のお悩みをお持ちの方は是非一度ご相談ください。
次回の皮膚科専門外来は【3月16日 土曜日】開催予定です。