【 こんな症例も治ります シリーズ 264 】 猫の尿路閉塞 も的確な診断と治療でコントロールします。

食事変更で溶解できる ストラバイト結石 です。

参照サイト:

http://qq3q.biz/Puro

 

 

猫 1歳7ヵ月 オス(去勢手術済み)

 

【 おしっこが出ず、何度もトイレを出入りしている 】とのことで来院された猫ちゃんです。

 

■ 触診してみると、膀胱はパンパンに膨らみあがっている状況でした。

おしっこは、腎臓で作られ尿管を通り、膀胱に貯められ、最終的に尿道を通り排泄されます。

 

そのうち、尿の通り道となる尿管と尿道はとても細く、結晶成分、結石、そして尿が作られる過程で出てくるカス(尿道栓子)が簡単に詰まってしまい、排尿困難を起こします。

 

■ 膀胱がパンパンという事は、尿は腎臓でしっかりつくられており、膀胱から先の部分(今回ならば尿道に閉塞物があることになります)で排泄困難になる原因があると考えられます。

尿道にある閉塞物を取り除く必要があります。

 

■ 陰茎から尿道へカテーテルという細い管を入れてすぐの部分で、ザクザクと当たるものがありました。

そして少しずつ生理食塩水を入れながら細かく分解して尿道から取り除き、細かくなったものを膀胱の中から洗い流す処置をさせていただきました。

 

■ また、尿量を増大させることにより、持続的に膀胱の中の汚れを流す膀胱洗浄が出来るように、静脈点滴を数日間行わせていただきました。

 

その結果、尿はしっかりと排泄されるようになりました。

 

■ 尿管に閉塞物が詰まってしまうと、早急に外科的に閉塞物を摘出をする必要がありますが、尿道の場合は、陰茎の先から細い管を通して入れることにより、膀胱へ閉塞物を押し戻して外科的に摘出したり、食事に溶ける物であれば食事管理を行い、再発防止の管理を行うこともできます。

 

■ 今回の場合、1ヵ月前に食事を変更し、それに伴いミネラルバランスが崩れて、尿に結石が出来てしまったと考えられます。

 

食事変更によって溶けるタイプの結石でしたので、食事管理を行い始めました。

その後、再発は見られません。

 

猫ちゃんで、おしっこが出ないという症状の場合、放置してしまうと命に関ることが非常に多いので、様子を見ずに、すぐに来院して下さい(^^)/

 

獣医師 新美綾乃

 

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