【 こんな症例も治ります シリーズ 262 】 犬の診断しにくい子宮蓄膿症 も的確な診断と治療でコントロールします。

気持ち悪くてスミマセン。 でも、この膿がお腹に入っているワンちゃんは、本当に気持ちが悪い(悪心)のです。。

参照サイト:

http://qq3q.biz/Puop

 

犬 11歳 メス

 

『 元気・食欲が落ちていて震えるようになった 』とのことで来院されました。

 

■ 来院時は歩くことは出来るが通常よりかなり元気がない状態でした。

 

診断するうえで、重要になったのは1ヵ月前に発情が来たこと、お腹が張っている事、お水をたくさん飲むようになったことでした。 この状況で膣から膿が出ていれば、ほぼ100%子宮蓄膿症と診断できる状況です。

しかし、今回は膿が出ていなかった為、他の病気を見落とさないように広く検査をしつつ、子宮蓄膿症の診断を進めていきました。

 

■ 子宮蓄膿症はその名の通り、子宮に膿が溜まってしまい、細菌の毒素が全身に回ることで命を落とす病気です。 手術をしない場合の致死率・再発率は非常に高いです。

 

子宮蓄膿症の手術自体は難易度が高いものではありませんが、全身の状態が手術のリスクに直結するため、少しでも早く手術をすることが大切になります。

 

■ 今回は自立歩行が可能な状態であったため、無事手術を終えることが出来ましたが、手術前後に亡くなってしまう子もいます。 また、手術前後の検査で甲状腺機能低下症も見つかり、一緒に治療をしたため体調不良になる前より元気になって退院することが出来ました。

 

■ 子宮蓄膿症は避妊手術により予防できる病気です。 高齢になってからでも十分な予防効果が期待できますので、早めの避妊手術をご検討いただければと思います。

 

 

獣医師 冨田浩平

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