【 こんな症例が治ります シリーズ 188 】 ネコの咬み傷による皮下膿瘍 も 的確な治療で治します。

皮下に出来た膿のイラストです。 赤い楕円形がカプセルを作ってしまった膿です。 このようなタイプは、手術が必要です。

参照サイト:

https://goo.gl/zMBhpy

 

ネコ 5歳 メス (避妊済)

【 他のネコちゃんと喧嘩した後から、元気食欲が無くなって、ぐったりしている 】というネコちゃんです。

 

■ 来院された時、ぐったりしていて、沈鬱な顔をしていました。 熱も40℃近くあり(ネコちゃんの平熱は、38~39℃)、しんどそうな状態でした。 背中には数か所咬み跡があり、一部の咬み跡の周囲で皮下気腫が起こっていました。

 

■ 「皮下気腫」とは、皮膚の下の皮下組織という部分に空気が溜まっている状態です。 今回の原因として考えられたのは、ガスを産生する細菌が感染している可能性、咬み傷が胸腔の中まで達して胸の中から空気が漏れている可能性が考えられました。

 

■ レントゲンを撮影してみたところ、胸腔(肋骨の中)には問題なさそうだったので、前者のガス産生菌が原因であると考えられました。

 

■ 発熱をしていた事から、入院をすることとなりました。

 

■ 入院中は、点滴をしながら抗生剤をしっかり使っていきました。 すると、入院3日後のところで、皮下気腫が起きていた部分に膿が溜まるようになってしまいました。

 

■ 諸事情により積極的な治療が出来ませんでしたので、膿瘍(膿が溜まっている状態)の部分に穴を開け、洗浄を繰り返していきました。 洗浄を繰り返すうちに、膿は少しずつ減ってはいきましたが、感染によって皮膚が壊死してしまい、治療が難航していました。

 

■ そこで、壊死した部分を全部取り除き、皮膚を綺麗にするために手術を行うことにしました。 麻酔をかけて、感染した所を確認してみると、一部の筋肉が感染で溶けていました。

 

■ 手術では感染で汚くなったところを綺麗にし、皮膚を閉じました。

 

■ 術後、傷口の経過は順調でしたが、術後3日目に嘔吐・食欲不振になってしまい、点滴治療などを追加で行いました。

 

■ 体調のアップダウンはありつつも、手術後から2週間目のところで抜糸を行い、その後は消化器症状も落ち着き、元気になってきました。

 

■ この症例を通して、ネコちゃんのお口の中の汚れ、それによる感染症の恐ろしさを痛感しました。

 

■ ケンカをして咬まれてしまった時、後にこういった状況になることもあるので、まず病院に相談してください。

 

獣医師 小田原由佳

 

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