【 こんな症例が治ります シリーズ 182 】 嘔吐と軟便のゴールデンリトリバーも 的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬 4ヵ月齢 ゴールデンレトリーバー メス(未避妊手術)の子犬さんです。

 

【 普段からウンチが少し柔らかめで、お散歩のときなどに枯葉などの異食ぐせがあり、嘔吐した 】ワンちゃんでした。

 

■ 硬いおやつを丸飲みしてしまった後、嘔吐と下痢の症状が出たため来院されました。

 

■ 検便をしたところ回虫の卵が検出されました。 消化管内の閉塞は、レントゲンなどの画像診断上、認められなかったため駆虫薬を開始しました。

 

■ 駆虫薬を投与して数時間すると、回虫を吐き戻しました。

また排便中にも虫体が排泄されました。

 

■ 犬回虫の成虫は、胃の近くの十二指腸内に寄生して腸管内の内容物を食べて生きています。

 

■ 駆虫薬を飲ませると駆除することが可能ですが、お散歩中に感染犬の便もしくは、便の付着した土などを食べてしまうことによって再感染することもあります。

 

■ 駆虫薬の投与は通常2回以上しますが、検便を定期的にすることはとても重要です。 当院では、幼齢の犬には年4回の検便をお勧めしております。

 

■ このワンちゃんは翌日からは元気いっぱいにお散歩へ行き、異食行動が全く見られなかったそうです。 軟らかめだった便も良くなってきました。 このまますくすくと育っていってほしいと思います。

 

※ 犬回虫は、レアケースですが人間にも感染します。 また、実は、回虫卵から孵化した幼虫は、犬の腸管から血管に入り込んで肺に寄生するのです。 肺で脱皮を繰り返して、ヌクヌクと生きながらえます。

 

※ 肺に寄生している時期は、駆虫薬を飲んでも、口や肛門から体外に出てこないのです。 細かい話になりますので、ここでは詳細を述べませんが、肺では、回虫の幼虫は犬のカラダの免疫力などの負けない【殻にこもるのです】。 不思議な虫ですよね。

 

※ だから、この虫にやられないためには、定期駆虫が一番良い方法ですね。

 

獣医師 新井澄枝

Page Top