【 こんな症例が治ります シリーズ 180 】  麻酔リスクの高い犬の子宮蓄膿症も 的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

 

 

 

参照サイト :

https://goo.gl/MiwC2W

 

イヌ 13歳齢 メス (避妊手術未実施) です。

 

【 昨年からつらそうな遠吠えのような行動をとるようになり、他院にて白血球の高値が認められた 】というワンちゃんです。

 

■ 当院受診時は特に明らかな症状はないものの、白血球の数字が高く、その性状からも感染症が強く疑われる状況でした。

 

■ 全身の検査を実施したところ、卵巣が腫大し、子宮は膨れ上がっているような状態でした。

 

■ 状況としては、子宮蓄膿症と卵巣の異常を強く疑う状態だったため、本来であればすぐにでも手術にて卵巣と子宮を摘出する必要があったのですが、以前から治療している【心不全である、僧帽弁閉鎖不全症】という病気を持っているために、非常に麻酔をかけるのはリスクが高い状態でした。

 

■ そこでまずは2週間集中的に心臓の治療をし、更に手術前日から点滴や注射で心臓の状態を少しでも良くしてから手術を行いました。 正直なところ、手術中や術後に心臓病が悪化する事も十分あり得ましたが、当院には【 手術を短時間に出来る特殊医療機器 】【 磨き上げたチームプレイ術 】があるので、何とか無事手術を終える事が出来ました。

 

■ 元気になって帰ってきたワンちゃんと再会し、涙を流して喜んでいらっしゃる飼主様を見て、改めてこの仕事をしていて良かったなぁと実感しました。

 

 

■ この様なケースは巷では非常に多く、今回は何とか無事に生還出来ましたが【もっと早期に避妊手術をしていれば助けられた命】が沢山失われていっている現実があります。

 

■ 早期の避妊手術であれば【 乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍 】といったホルモンの関連した病気を、男の子の場合であれば去勢手術によって【 前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫 】などの病気を予防することが可能です。

 

■ ですから、まだ不妊(避妊・去勢)手術をされていない方は、今一度この手術に関して考えてみてください。 不妊手術をすることが、自然の世界から言ったら100%正しいという事ではありませんが、しない場合のリスクについてはきちっと理解しておくことが重要だと思います。

 

■ 動物は、高齢化社会になってきました。 老齢になってからの難易度の高い手術をするのではなく、安全性の高い若い時の避妊去勢手術をオススメします。

 

獣医師 桃崎 昂

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