皮膚科専門診察担当の桃崎です。
■ 本日は、前回お話した【 アロペシアX 】という病気の治療に関してお話させて頂きます。
■ とはいっても『 これが確実に効く 』という治療法は存在しないのが現状ですが、その中でもこれまでに効果の得られた方法を一部ご紹介いたします。
■ まず、もっとも教科書的な治療として、不妊手術の済んでいない動物であれば、それを実施するという事です。
★ 一部の性ホルモンは毛穴の働きを止めてしまうような作用があるため、これによりまた毛が生え始める動物もいるわけです。
■ 次にある種のビタミンと毛の材料であるアミノ酸を補う方法です。 これは血行改善と毛の産生の促進を目的とした治療です。
■ 次はオスの前立腺肥大の治療薬を使用する方法です。
★ これははっきりとはわかっていませんが、体内でのステロイドホルモンの産生が制限されるために、毛穴が活性化するといわれています。
■ また、これはあんまり現実的な治療法ではありませんが、クッシング症候群の治療薬であり、副腎からのステロイドの産生を抑える薬を使うとかなりの確率で毛が生えてくることが分かっています。 しかしながら、これはその他の健康へのリスクが懸念されるため、ほとんどこの目的で使用されることはありません。
■ この他にも、ものすごく細い針のついたローラーで皮膚を刺激する方法や様々なサプリメントが発売されていますが、その仔によって効果的な方法は異なるように感じます。
■ しかし、重要なのは、サプリや内服薬などの治療法はその効果判定の為に最低でも3ヵ月は続けてみて欲しいという事です。 もちろん初めて1~2週間で効果が現れる事もありますが、個人的には数か月して効果が現れる事が多いように感じます。 ですから、少し根気がいるとは思いますが、この治療は長い目で見てあげる事が必要です。
■ 最終的にどの治療を選べば良いのかを、はっきりとお答えできないお話となってしまいましたが、実は最近当院でも使用を開始した、ある種のサプリメントが予想以上に好成績でビックリしています。
■ このサプリは某国の海藻が主原料となっているものなのですが、3例中2例で明らかな発毛が認められ、もう一頭においても少し兆しが見え始めています。 もちろん必ず効果があるというものではありませんが、比較的安価かつ安全で取り組みやすいという事で最近は積極的にお勧めしています。
■ 是非、脱毛の症状にお悩みのワンちゃんがいらっしゃいましたら、お気軽に当院までご相談ください。
■ 次回の皮膚科専門診察は、第二週の【2月9日 木曜日】に行わせて頂きます。 現時点ではまだ、2件の新患枠に余裕がございますので、ご希望の飼主様は日程をご確認の上、当院スタッフまでお問い合わせください。
ファミリーアニマルホスピタル
高橋動物病院
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