【 こんな症例が治ります シリーズ 173 】 犬の卵巣の腫瘍 も 的確な治療で治します

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犬  ビーグル 14歳 メス (避妊手術未実施)

 

【 今朝散歩しようと思ったら、歩きにくそう 】というワンちゃんです。

 

■ 食欲はあり、散歩に行きたがるのだけれども、歩きにくそうという事で来院されました。 身体検査をしてみると、四肢に何か問題があるようには見えず、むしろ異常にお腹が膨れているのが気になりました。

 

■ そこで、「 歩きにくそうなのはこの膨れているお腹が原因なのでは?? 」と考え、お腹のレントゲンを撮ることになりました。

 

■ 撮ってみたところ、お腹の中に巨大なシコリがあるのが分かりました。 そこで、精査のため腹部エコーを調べてみると、お腹の1/4程を占める巨大なシコリと共に、腹水の貯留が認められました。

 

■ 腹水がたまるような状況であったため、飼主様と相談して、お腹のシコリを手術で摘出することになりました。

 

■ お腹を開けてみると、腹水が 500ml ほど溜まっており、巨大なシコリは、左の卵巣が原発部で巨大化したものでした。 その大きさは、なんと 820g もありました !!

 

★ 上の写真は、このワンちゃんから摘出したシコリです。(飼主様から許可を得て掲載させて頂いております)

 

■ この巨大なシコリは、「顆粒膜細胞腫」という腫瘍ということが病理組織検査の結果分かりました。 この腫瘍は良性の事が多いですが、このワンちゃんのしこりはあまりにも巨大だったため、「悪性」という結果でした。

 

■ 顆粒膜細胞腫は巨大化するまで無症状なことが多いです。 このワンちゃんも、この大きさになって初めて気付きました。 お腹が膨れているだけだと、「ただ太った」と思っている方も多いのが現実です。

 

■ 最近妙にお腹が出ているな~と思われたら、こういうケースもありますので、ぜひ一度相談をされて下さい(*^_^*)

 

獣医師 小田原由佳

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