【 こんな症例が治ります シリーズ 77 】 猫の膿胸 も的確な治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネコ 14歳 メス(避妊手術実施済み) です。

 

 【 ここ数日間、呼吸が苦しそうというネコちゃん 】です。

 

 来院時に開口呼吸(口を開けて呼吸をすることです)が見られ、かなり呼吸が苦しそうでした。

 

 すぐに高濃度酸素をかがせてあげながら聴診器で胸の音を聞くと、心臓の音が聞こえにくかったので胸のレントゲンを撮影したころ、胸の中に液体が貯留している様子が見られました。

 

 胸の中にたまった液体により、肺が膨らまなかったために十分な酸素が取り込めず、呼吸が苦しかったようです。

 

 そこで、胸の中に溜まった液体を抜いてあげると、かなり呼吸が楽になりました。抜いた液体はそのほとんどが膿で、中からは細菌が検出されました。

 

 このように胸の中に膿が溜まってしまう事を【膿胸】と言います。

 

 液体を抜いて一時的に呼吸が楽になりましたが、このままでは再度胸に液体が溜まってきてしまう恐れがあったため、細菌を攻撃する抗生物質に加え、抗ウイルス効果と免疫調節効果が期待できるインターフェロンというお薬を使いながら定期的に胸の中の膿を抜いて洗浄してあげたところ、1週間ほどで呼吸状態がかなり改善しました。

 

 ワンちゃんは体温調節のためよくパンティング(お口を開けてハァハァ呼吸をすること)をしますが、ネコちゃんは通常開口呼吸をすることはありません。 ネコちゃんが開口呼吸をした際は何らかの呼吸器疾患のサインのことがありますので、動物病院まで一度ご相談ください。

 

斎藤隆太 獣医師

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