動物の高齢化に伴い、人間と同様に心臓病が増えています。犬・猫が亡くなる原因として、心臓病は、ガンと共に「3大死因」の1つになっています。
当院では、僧帽弁閉鎖不全症、肥大型心筋症など、循環器症状・疾患について診療を行っております。検査から難易度の高い治療まで対応しておりますので、まずはご相談ください。
西洋獣医療 | 統合医療 | 先制医療 (病気予防医療) |
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心臓は一度悪化すると完治が難しくなります。特に初期の段階では症状が出にくいため、症状が出てきたときには、すでに病気が進行していたという事も多くありますので、病気の早期発見により進行させないことが非常に重要です。
心臓病は先天性と後天性があるため、犬・猫の年齢に関わらず発症します。
定期的な心臓および腎臓の検査をお勧めしています。
視診、触診、聴診、により全身状態と心臓のチェックをします。
心臓の形や大きさ、肺の状態、血管の太さなどの評価を行います。
心臓内部の構造や大きさ、血流をチェックし、心臓疾患の状態や重症度の判定を行います。
心臓に不整脈が無いかを調べます。心臓もしくは他の病気による血管への負担も調べることができます。
当院で実施している循環器科診療での対応例の一部をご紹介します。
犬の僧帽弁閉鎖不全症は一般診療において獣医師が最も多く遭遇する心疾患である。一般的に中高齢の小型犬種に認められる僧帽弁閉鎖不全症は房室弁の粘液腫様変性に起因していることが多く、最近ではこれに起因したものを慢性房室弁心疾患、慢性変性性房室弁疾患、変性性僧帽弁疾患、僧帽弁粘液腫様変性などと病因を指し示して呼ぶことが一般的となってきている。
拡張型心筋症は大型犬における発生が多く、発生時期は3~7歳までと幅があるが、中高齢での発生が多い。4~5歳以降に急速に発生頻度が高くなり、10歳を超えると逆に発生率は低くなる。雄犬の方が雌犬よりも重症化しやすい。また犬種によって、拡張型心筋症の違いが報告されている。少なくともドーベルマン、ボクサー、その他の大型犬の区別はしておきたい。大型犬ではないコッカー・スパニエルの場合、単なる僧帽弁閉鎖不全症と間違えられてしまう可能性が高いが、拡張型心筋症の好発犬種であるため、注意が必要である。ドーベルマン、ピンシャーとボクサーでは発咳、呼吸困難といった急性左心不全の症状が認められ、失神、虚脱、突然死といった不整脈に起因する臨床症状も認められる。ドーベルマン、ピンシャーでは心室期外収縮と心室頻拍が75%以上の症例で認められ、ボクサーも心室不整脈を発現する犬種の一つである。その他の大型犬種においては、心房細動を呈する症例が多く、胸水貯留や腹水貯留が認められることが多い。
ネコ肥大型心筋症(HCM)は、猫の心臓の筋肉壁を厚くし、心臓の機能効率を低下させ、体の他の部分にも症状を引き起こす状態の事を言う。HCMの原因は明確に特定されていないが、特定の品種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、スフィンクス、シャルトリュー、ペルシャ猫など)でこの状態がより一般的である。この病気の猫の中には、いくつかの心臓遺伝子の変異が、発症の役割を果たしていることを示唆するものもある。
検査は、画像診断と特殊な血液検査が有効である。
猫の動脈血栓塞栓症(ATE)の背景疾患として、2003年にSmithらは、心疾患が69%、甲状腺機能亢進症が9%、腫瘍が5%と報告している。また、猫のATEの90%は腹大動脈の分岐部の鞍状血栓である。血栓塞栓が起こると、虚血による末梢神経障害を来すので、激しい疼痛が生じる。ATE罹患猫は甚急性の異常な発声、後肢不完全麻痺を主訴に来院することが多い。また、後肢の症状とともに、呼吸促拍の状態で来院することも多い。ATEを治療するにはATEの診断の他、背景疾患の診断が必要になる。
身体検査所見は特徴的で、5Pの兆候が見られる。麻痺(paralysis),痛み(pain),無脈(pulselessness),蒼白(pallorパットの色の退色),変温(poikilothetmiaパットが冷たい)が認められる。腹部の超音波検査では、鞍状血栓の場合、腹大動脈分岐部に血栓が確認できることもある。鑑別診断としては、後肢については外傷,椎間板ヘルニア,脊髄腫瘍, 前肢については外傷,遺物,腕神経叢腫瘍などが挙げられる。