当院の循環器科について

動物の高齢化に伴い、人間と同様に心臓病が増えています。犬・猫が亡くなる原因として、心臓病は、ガンと共に「3大死因」の1つになっています。

当院では、僧帽弁閉鎖不全症、肥大型心筋症など、循環器症状・疾患について診療を行っております。検査から難易度の高い治療まで対応しておりますので、まずはご相談ください。

特に、今年から【JASMINE どうぶつ循環器病センター】の髙野裕史先生が当院の特別医療顧問として、携わって下さっています。

循環器科における次世代医療について

西洋獣医療 統合医療 先制医療
(病気予防医療)
国際最高水準の循環器診療 東洋医学 オゾン療法
バランス療法など

こんな症状ありませんか?

  • 呼吸が早い、遅い
  • 呼吸が苦しそう
  • 頻度高く咳をしている
  • 変な呼吸の音がする
  • 少し動くと座り込んだり、倒れたりする
  • 吠えると、座り込んだりする

循環器科の診断・検査

心臓は一度悪化すると完治が難しくなります。特に初期の段階では症状が出にくいため、症状が出てきたときには、すでに病気が進行していたという事も多くありますので、病気の早期発見により進行させないことが非常に重要です。

心臓病は先天性と後天性があるため、犬・猫の年齢に関わらず発症します。
定期的な心臓および腎臓の検査をお勧めしています。

循環器科の検査

身体検査

視診、触診、聴診、により全身状態と心臓のチェックをします。

画像診断(胸部レントゲン検査)

心臓の形や大きさ、肺の状態、血管の太さなどの評価を行います。

画像診断(超音波検査)

心臓内部の構造や大きさ、血流をチェックし、心臓疾患の状態や重症度の判定を行います。

心電図検査

心臓に不整脈が無いかを調べます。心臓もしくは他の病気による血管への負担も調べることができます。

循環器科医療顧問紹介

当院は、特別医療顧問のアジア獣医内科学会専門医(循環器)である髙野 裕史先生とは、当院獣医師のレベル向上維持の直接指導を中心に関わって頂いております。

ですから、当院での循環器科専門医の診察をご希望されても、それは叶いません。

ただし、当院の院内獣医師向けセミナーに髙野先生が来られた際に、時間が合えば数件の診察が可能かもしれません。

今までと、どう違うかと申しますと、【JASMINE どうぶつ循環器病センターとの太いパイプ】が正式契約により形成されたので、国際的にも有名な【循環器専門病院】への紹介が、よりスムーズになりました。

当院では、今までよりも国際的にトップクラスの最先端の専門知識によって監修指導を受けた当院獣医師が、診察を行いますので、ご安心下さい。

日本獣医循環器学会 認定医
アジア獣医内科学会専門医(循環器)
JASMINEどうぶつ循環器病センター 勤務医 髙野 裕史 先生

  • 2008年 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
  • 2012年 麻布大学大学院獣医学研究科獣医学専攻博士課程修了、博士(獣医学)取得
  • 2011年~2013年 日本学術振興会 特別研究員
  • 2012年~2014年 酪農学園大学獣医学群獣医学類伴侶動物医療分野 非常勤講師
  • 2014年~現在 JASMINEどうぶつ循環器病センター勤務医
  • 2015年~2017年 東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センター 特任研究員/特任助教
  • 2017年~現在 アジア獣医内科学会専門医(循環器)

JASMINEどうぶつ循環器病センター

代表的な循環器科の病気

当院で実施している循環器科診療での対応例の一部をご紹介します。

僧帽弁閉鎖不全症

病気の概要及び症状

犬の僧帽弁閉鎖不全症は一般診療において獣医師が最も多く遭遇する心疾患である。一般的に中高齢の小型犬種に認められる僧帽弁閉鎖不全症は房室弁の粘液腫様変性に起因していることが多く、最近ではこれに起因したものを慢性房室弁心疾患、慢性変性性房室弁疾患、変性性僧帽弁疾患、僧帽弁粘液腫様変性などと病因を指し示して呼ぶことが一般的となってきている。

拡張型心筋症

病気の概要及び症状

拡張型心筋症は大型犬における発生が多く、発生時期は3~7歳までと幅があるが、中高齢での発生が多い。4~5歳以降に急速に発生頻度が高くなり、10歳を超えると逆に発生率は低くなる。雄犬の方が雌犬よりも重症化しやすい。また犬種によって、拡張型心筋症の違いが報告されている。少なくともドーベルマン、ボクサー、その他の大型犬の区別はしておきたい。大型犬ではないコッカー・スパニエルの場合、単なる僧帽弁閉鎖不全症と間違えられてしまう可能性が高いが、拡張型心筋症の好発犬種であるため、注意が必要である。ドーベルマン、ピンシャーとボクサーでは発咳、呼吸困難といった急性左心不全の症状が認められ、失神、虚脱、突然死といった不整脈に起因する臨床症状も認められる。ドーベルマン、ピンシャーでは心室期外収縮と心室頻拍が75%以上の症例で認められ、ボクサーも心室不整脈を発現する犬種の一つである。その他の大型犬種においては、心房細動を呈する症例が多く、胸水貯留や腹水貯留が認められることが多い。

肥大型心筋症

病気の概要及び症状

ネコ肥大型心筋症(HCM)は、猫の心臓の筋肉壁を厚くし、心臓の機能効率を低下させ、体の他の部分にも症状を引き起こす状態の事を言う。HCMの原因は明確に特定されていないが、特定の品種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、スフィンクス、シャルトリュー、ペルシャ猫など)でこの状態がより一般的である。この病気の猫の中には、いくつかの心臓遺伝子の変異が、発症の役割を果たしていることを示唆するものもある。

検査は、画像診断と特殊な血液検査が有効である。

猫の動脈血栓塞栓症

病気の概要及び症状

猫の動脈血栓塞栓症(ATE)の背景疾患として、2003年にSmithらは、心疾患が69%、甲状腺機能亢進症が9%、腫瘍が5%と報告している。また、猫のATEの90%は腹大動脈の分岐部の鞍状血栓である。血栓塞栓が起こると、虚血による末梢神経障害を来すので、激しい疼痛が生じる。ATE罹患猫は甚急性の異常な発声、後肢不完全麻痺を主訴に来院することが多い。また、後肢の症状とともに、呼吸促拍の状態で来院することも多い。ATEを治療するにはATEの診断の他、背景疾患の診断が必要になる。

身体検査所見は特徴的で、5Pの兆候が見られる。麻痺(paralysis),痛み(pain),無脈(pulselessness),蒼白(pallorパットの色の退色),変温(poikilothetmiaパットが冷たい)が認められる。腹部の超音波検査では、鞍状血栓の場合、腹大動脈分岐部に血栓が確認できることもある。鑑別診断としては、後肢については外傷,椎間板ヘルニア,脊髄腫瘍, 前肢については外傷,遺物,腕神経叢腫瘍などが挙げられる。

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