【こんな症例も治りますシリーズ 882】『 セカンドオピニオン診療 : ワンちゃんの唇のしこり(皮脂腺上皮腫) 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上のイラストは、今回の症例のまとめです。
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◆ 症状 : 唇(口のところ)のしこり。1~2年前からあり、最近になって少しずつ大きくなってきた
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◆ 検査 : 細胞診(細い針で細胞を取って調べる検査)で、皮脂腺上皮腫が疑われました
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◆ 治療 : 食事に影響が出る前に、腫瘍が小さいうちに手術で切除しました
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◆ 術後の経過 : 経過は順調で、ごはんをモリモリ食べて元気に過ごしています

 

 

犬 ダックスフンド 10歳

 

 

【 口のところにしこりがあって、少しずつ大きくなってきた 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

■ しこりは1~2年ほど前からあったそうですが、最近になって少しずつ大きくなってきたことが気になるとのことでした。

 

 

■■ 診察してみると、口の中ではなく、唇(口唇)にしこりが見つかりました。

 

 

 

 

◆◆ 唇の「しこり」はどうやって調べる?

 

 

■ ワンちゃんの体にしこりを見つけた場合、まず行うことが多い検査が「細胞診」です。

 

 

■ 細胞診とは、細い針をしこりに刺して細胞を取り、顕微鏡で調べる検査です。

 

 

■ 体への負担が比較的少なく、しこりがどのようなものかを調べる手がかりになります。

 

 

■ ただし、口のまわりは敏感な場所でもあるため、ワンちゃんが動いてしまうと、安全に検査することが難しい場合もあります。

 

 

 

■■ 今回はとてもお利口さんで、安全に針を刺せそうだったため、細胞診を行うことができました。

 

 

 

 

 

◆◆ 細胞診の結果は?

 

 

■■ 取った細胞を調べたところ、『 皮脂腺上皮腫(ひしせんじょうひしゅ) 』が疑われました。

 

 

■ 皮脂腺上皮腫は、皮膚にある皮脂腺(皮膚のあぶらを出すところ)から発生する腫瘍で、基本的には良性に分類されます。

 

 

■ 「良性」と聞くと、安心される飼い主様も多いかもしれません。

 

 

 

 

 

■■ しかし、皮脂腺上皮腫は良性腫瘍でありながら、まわりの組織に入り込むように増えることがあり、手術で切除しても完全に取りきれない場合があります。

 

 

■ そのため、良性だからといって、必ずしも放っておいてよいわけではありません。

 

 

■ なお、細胞診は腫瘍の性質を調べるための検査です。

 

 

■ はっきりとした診断(確定診断)には、病理組織検査(取った組織を顕微鏡で詳しく調べる検査)が必要になる場合があります。

 

 

 

 

 

◆◆ 良性なら、そのままでも大丈夫?

 

 

■ 『良性なら、急いで手術しなくてもいいのでは?』と思われるかもしれません。

 

 

■ もちろん、良性腫瘍のすべてに手術が必要というわけではありません。

 

 

■ しかし、今回のように唇にできた腫瘍は、大きくなると、次のように毎日の生活に困ることが出てくる可能性があります。

 

・ 食事のときに邪魔になる

・ 食べ物や歯が当たって、出血する

・ 口を動かすときに違和感が出る

・ 腫瘍が大きくなり、切除する範囲が広くなる

 

 

 

■ また、唇は食事をするうえでも大切な場所です。

 

 

 

■■ 腫瘍が大きくなってから手術をすると、切除する範囲が広くなり、唇の形や働きへの影響が大きくなる可能性もあります。

 

 

 

■■ そのため今回は飼い主様と相談し、『 食事に影響が出る前に、腫瘍が小さく、しっかり取りきれる可能性が高い段階で手術をしましょう 』という方針になりました。

 

 

 

 

 

◆◆ 手術後は元気いっぱい !

 

 

■ 手術後の経過は順調です。

 

 

 

■■ 現在も元気に過ごしてくれています !

 

 

■ 今回のように、腫瘍が小さい段階で治療を行うことで、まわりの正常な組織への影響をできるだけ少なくしながら切除できる可能性があります。

 

 

 

■ 今後も再発がないか、定期的に確認していくことが大切です。

 

 

 

 

 

◆◆ 今回の症例から

 

 

■ ワンちゃんの口のまわりにできるしこりは、見た目だけで『良性だから大丈夫』『悪性だろう』と判断することはできません。

 

 

■ また、今回のように良性の腫瘍であっても、できた場所や大きさによっては、早めの治療が大切になることがあります。

 

 

 

 

■■ 特に唇のように食事や毎日の生活に関わる場所では、腫瘍が小さいうちに治療することで、将来の生活への影響を防げる可能性があります。

 

 

■ 次のような変化に気づいたら、ぜひ一度ご相談ください。

・ 『 唇に小さなしこりがある 』

・ 『 以前からあったできものが大きくなってきた 』

・ 『 口のまわりのできものが気になる 』

 

 

■■ 毎日のスキンシップや歯みがきのときに、口の中だけでなく、唇や口のまわりもチェックすることが、病気の早期発見につながります。

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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