【こんな症例も治りますシリーズ 877】『 セカンドオピニオン診療 : ワンちゃんの口の中のしこり(周辺性歯原性線維腫) 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、今回の症例のまとめです。
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◆ 症状 : 上あごの前歯のあたりの歯ぐきにしこり(食欲はあり、痛がる様子や出血はなし)
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◆ 検査 : CT検査で明らかな転移なし、切除生検(病理組織検査)で周辺性歯原性線維腫と診断
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◆ 治療 : 全身麻酔で腫瘍をまわりの組織ごと切除し、傷口をていねいに縫い合わせました
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◆ 術後の経過 : 傷の治りも良く、ごはんをモリモリ食べて元気に過ごしています

 

犬 ミックス犬 13歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 口の中のしこり 】が主訴で来院されたワンちゃんです。

 

 

■■ 診察してみると、上あごの前歯(切歯)の近くに、歯ぐき(歯肉)から盛り上がるようなしこりが見つかりました。

 

 

 

 

◆◆ 口の中の「しこり」はどうやって調べる?

 

 

■ 体の表面にしこりを見つけた場合、まずは細い針を刺して細胞を取る「細胞診」を行うのが一般的です。

 

 

■ しかし、口の中の『 できもの 』では少し事情が違います。

 

 

■ 口の中では、次のような理由から、細胞診だけでは診断が難しいことがあります。

 

 

・ ワンちゃんが動いてしまい、安全に針を刺すことが難しい

 

・ できものの場所によっては、針を刺しにくい

 

・ 細胞診をしても、診断に十分な細胞が取れないことがある

 

 

 

■■ そのため今回は、『 できもの 』の一部を取って詳しく調べる『生検(病理組織検査)』を行うことにしました。

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■ さらに、次のことを確認するためにCT検査も行いました。

 

・ できものが、まわりの骨などへ広がっていないか

 

・ リンパ節や肺などへの転移を疑う所見がないか

 

 

 

 

◆◆ CT検査と病理組織検査の結果は?

 

 

・ CT検査 : 明らかな転移を疑う所見は認められませんでした。

 

・ 病理組織検査(取った組織を顕微鏡で調べる検査) : 診断は『 周辺性歯原性線維腫 』でした。

 

 

 

■■ 周辺性歯原性線維腫は、歯グキにできる基本的には良性の腫瘍です。

 

 

■ 「腫瘍」と聞くと、悪性の腫瘍、いわゆる「がん」をイメージされるかもしれません。

 

 

■ しかし、腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。

 

 

■ 今回の腫瘍は、病理検査によって良性のものであることが分かりました。

 

 

 

 

 

◆◆ 良性なら、そのままでも大丈夫?

 

 

■ 『良性なら取らなくてもいいのでは?』と思われるかもしれません。

 

 

■■ しかし、良性=放っておいても問題ない、とは限りません。

 

 

■ 口の中の腫瘍が大きくなると、次のように毎日の生活に困ることが出てくる可能性があります。

 

 

・ 食べ物をうまく食べられなくなる

 

・ 噛んだときに腫瘍を傷つけて、出血する

 

・ 口の中に違和感や痛みが出る

 

・ まわりの歯や組織に影響する

 

 

 

■ 特に今回のような前歯の近くのできものでは、これから大きくなると、食事などに影響する可能性が考えられました。

 

 

■■ そのため飼い主様と相談し、腫瘍を手術で完全に切除することにしました。

 

 

◆◆ 手術後は元気にモリモリ !

 

 

■ 手術後の経過は順調です。

 

 

■■ 切除した場所を気にする様子もなく、元気いっぱいで、ご飯もモリモリ食べてくれています !

 

 

■ 口の中も、良い状態を保っています。

 

 

 

 

◆◆ 今回の症例から

 

 

■ 口の中のできものは、見た目だけで『良性だから大丈夫』『悪性だろう』と判断することはできません。

 

 

■ また、口の中では細胞診だけでは十分な情報が得られないこともあります。

 

 

 

■■ そのため、必要に応じてCT検査や病理組織検査を組み合わせて診断することが大切です。

 

 

■ そして、今回のように良性の腫瘍であっても、場所や大きさによっては早めに治療することで、食事や生活への影響を防げることがあります。

 

 

■ 次のような変化に気づいたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

・ 『 歯ぐきが少し盛り上がっている 』

 

・ 『 口の中にできものがある 』

 

・ 『 最近、口から血が出る 』

 

 

 

■■ 毎日の歯みがきのときに、歯だけでなく、歯ぐきや口の中もチェックすることが、病気の早期発見につながります。

 

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

 

 

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