【こんな症例も治りますシリーズ 875】『 健康診断 : ワンちゃんのまぶたのしこり(霰粒腫)とドライアイ 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、ワンちゃんの上まぶたをめくった左眼です。
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◆ まぶたの裏の『白く膨らんでいるところが霰粒腫』です。

 

犬  トイ・プードル 10歳 メス(避妊手術済)

 

 

【 健康診断でまぶたに小さなしこりを発見 】したワンちゃんです。

 

 

◆◆ 健康診断の一環として眼の検査を行ったところ、まぶたに小さなしこりが見つかりました。

 

 

■ 眼の状態を確認したところ、このしこりは「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と考えられました。

 

 

 

◆◆ 「霰粒腫」ってどんなもの?

 

 

■■ まぶたには、涙の油分を出す「マイボーム腺」という組織があります。

 

■ このマイボーム腺の出口が詰まり、分泌物がたまることで長く続く炎症(慢性的な炎症)を起こし、まぶたにしこりができたものを「霰粒腫」と呼びます。

 

■ 霰粒腫とよく似たものに「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」があります。 いわゆる「ものもらい」と呼ばれるものです。

 

 

■ どちらも、まぶたに出来るため見た目は似ていますが、少し違いがあります。

 

■ 【霰粒腫】 マイボーム腺の出口が詰まることで起こる慢性的な炎症です。 比較的ゆっくりとした経過をとり、痛みや赤みが目立たないこともあります。

 

■ 【麦粒腫】 まぶたの腺に細菌が感染することで起こる急な炎症(急性の炎症)です。赤く腫れたり、痛みを伴ったりすることがあります。

 

■ そのため、同じ「まぶたのしこり」でも、原因や治療方法が異なります。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 涙の量もチェックしました

 

 

 

 

■ 今回は「シルマー涙液試験」という検査も行いました。

 

■ これは専用の試験紙をまぶたに挟み、一定の時間にどれくらい涙が出るかを測る検査です。

 

■ 検査の結果、涙の量がやや少なく、軽いドライアイ(涙が足りず目が乾く状態)が認められました。

 

■ ドライアイでは、涙が不足することで眼の表面が乾燥し、充血や目やに、眼をしょぼしょぼさせるなどの症状がみられることがあります。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 温罨法を行いました

 

 

 

 

■ 今回のワンちゃんでは、ご自宅で「温罨法(おんあんぽう)」を行っていただきました。

 

 

■ 温罨法とは、まぶたのまわりを温めるケアです。 まぶたを温めることでマイボーム腺からの油分の分泌を促し、涙の蒸発を抑える効果が期待できます。

 

 

■ その後、定期的にシルマー涙液試験で確認したところ、涙の量は少しずつ増えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆ 霰粒腫は定期的にチェック

 

 

 

 

■ 霰粒腫についても定期的に大きさを確認していますが、現在のところ大きな変化はみられていません。

 

 

■ そのため、現時点では積極的な処置は行わず、今後も定期的に大きさや眼への影響がないかを確認(モニター)していくことになりました。

 

 

■ まぶたのしこりは、大きくなると角膜(黒目の表面の透明な膜)に当たって眼を刺激することもあります。 また、見た目だけでは霰粒腫なのか、ほかのまぶたの病気なのか判断が難しい場合もあります。

 

 

■ 「まぶたに小さなしこりがある」、「最近目やにが増えた」、「眼をしょぼしょぼしている」といった変化があれば、一度眼科検査を受けてみることをおすすめします。

 

 

■ 今回のように、普段は特に症状がなくても、健康診断をきっかけに眼の異常が見つかることがあります。

 

 

 

■ これからも定期的に眼の状態を確認しながら、健康な状態を維持していきましょう!

 

 

 

 

 

 

◆◆ 本来は、目に気になる症状がなくても、健康診断のときに眼科の検査も受けておくことが大切です。

 

 

 

 

■ ワンちゃんは目の不調を言葉で伝えられないため、まぶたの小さなしこりや軽いドライアイは、飼い主様が気づかないうちに進んでいることがあります。

 

 

■ ドライアイをそのままにしておくと、角膜に傷がつきやすくなったり、慢性的な結膜炎や角膜炎につながったりすることがあります。

 

 

★ 今回のワンちゃんは、健康診断での眼科検査がきっかけで、霰粒腫と軽いドライアイを早い段階で見つけることができました。

 

 

 

 

★★ 早く見つければ、ご自宅での温罨法のような体にやさしいケアと定期的なチェックで、目の健康を守ることができます。

 

 

◆◆ 『 症状がなくても ⇒ 定期的な眼科検査 ⇒ \早期発見・早期ケアで目の健康を守る/ 』が世界では常識です。

 

 

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

 

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