【こんな症例も治ります シリーズ300】 猫の尿管腫瘤による排尿困難 も的確な治療でコントロールします。

麻酔が了解された時には、SUBシステムというバイパス手術が行えます。

参照サイト:

https://bit.ly/2M20G8q

 

猫 16歳5ヵ月 オス(去勢手術済み)

 

【何度も吐いている、尿が出ていない。】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

■ お腹の触診を行ってみると膀胱に尿はあまり溜まっていない状態でした。

 

■ 血液検査を行ってみると腎数値が跳ね上がっていました。

 

■ 尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通して排泄されます。

腹部超音波検査を行うと左右にある腎臓のうち、右側の尿管の一部に腫瘤が認められ、その腫瘤が邪魔して尿を膀胱に送ることが出来ず、毒素が尿として外に排泄されないため腎数値が上昇してしまっている状況でした。

 

■ 尿管の腫瘤の場合、麻酔下でのCTによる精密精査や手術による治療が必要とされることが多いのですが、このネコちゃんの場合はご家族が麻酔や手術をご希望しなかったこともあり、尿管拡張剤を使用し、尿が排泄されるかを確認したところ、大量の尿が排泄されました。

 

■ 尿の排泄に伴い腎数値も改善され、吐き気や食欲不振といった症状も緩和されました。

 

■ 高齢だったり、麻酔をかけると亡くなってしまうような状況の子の場合、何も処置できないと亡くなってしまうケースが多いのですが、今回は尿管拡張剤に反応してオシッコをしてくれて本当に良かったです。

 

■ 今でも定期的に点滴にいらっしゃって、飼主様と毎日デレデレ過ごしてくれているとの事で、とても嬉しかったです。

 

■ 動物は尿が出ないだけで、急性に苦しんで亡くなってしまうケースがとても多いです。

お家の動物で排尿に違和感を感じられた場合は、手遅れになる前に早めに来院されてください。

 

獣医師 新美綾乃

 

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