【こんな症例も治ります シリーズ288】 犬のリンパ管拡張を伴う蛋白漏出性腸症 も的確な診断と治療でコントロールします。

内視鏡検査で見た腸管 白い点が沢山ありますが、リンパ管拡張症の箇所です

参照サイト:

https://bit.ly/2Fya4vA

 

犬 6歳4ヵ月 メス(避妊手術済み)

 

【他院にて健康診断の際に蛋白とアルブミンが低いと言われて、精査をしてほしい】というワンちゃんです。

 

■ 思い返してみると、吐き気や下痢を時々するといった症状があるとのことでした。

 

■ 低蛋白血症の原因にはいくつかの病気が考えられますが、最も多いのが消化管から蛋白が漏れ出てしまう病気です。 可能性は低いですが、腎臓から蛋白が漏れ出てしまう事もあるため、全身精査として超音波検査および尿検査を実施しました。

 

■ 検査の結果、消化管から蛋白が漏れ出てしまっていると考えられたため、内視鏡検査で消化管組織の採材を行い、確定診断を下したうえで治療を行いました。

 

■ この子は食事と内科治療に対し反応がよく、しっかりと蛋白とアルブミンが上昇してきたため、再び下がることが無い薬の量にするための経過観察を行っています。

 

■ 蛋白が低いと、体内の血栓を予防するような物質も一緒に漏れ出てしまうため、血栓が起こりやすく多臓器不全に至ってしまう事もあります。

 

■ 定期健診を行う重要性を実感した症例でした。

 

獣医師 新美綾乃

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