【 こんな症例も治りますシリーズ279 】 猫の肥満細胞腫 も的確な診断と治療でコントロールします。

ネコの肥満細胞腫の細胞です。 円の周囲が濃くなっているのは、特徴の顆粒の集まりです。

猫 15歳11ヵ月 メス(避妊手術済み)

 

【 皮膚にデキモノが出来た 】というネコちゃんです。

 

■ 細胞診という腫瘤を形成する細胞から腫瘤のヒントを得る検査を行ったところ、肥満細胞腫という種類の腫瘍であることがわかりました。

 

■ 肥満細胞は太っている動物にあるわけではなく、身体のさまざまな組織で免疫反応に関わっています。

 

■ 肥満細胞腫とは、炎症を引き起こす物質(ヒスタミン)を含んでいる肥満細胞が腫瘍化することです。 なので、腫瘤部に刺激を加えると、肥満細胞からヒスタミンが放出される結果、腫瘤部の周囲が赤く腫れたり、胃潰瘍を起こして吐き気・食欲不振・腹痛を起こすことがあります。

 

■ 猫の皮膚にできる肥満細胞腫は良性のことが多いですが、

このネコちゃんの場合は、来院の度に腫瘤のサイズが大きくなっており、軽度の腎不全もあるため、

放置して将来もっと腫瘤が大きくなった時に手術するとなると、腎不全が進行している可能性も高いと判断したため、飼主さんとご相談の上、外科的に腫瘤摘出をさせて頂くことにしました。

 

■ 取り除いた組織は病理検査を行い、完全切除が確認されました。

腎不全が軽度にある為、点滴をしっかり流したうえで退院とさせていただきました。

 

■ その後の経過観察では切除部位にも問題なく元気に過ごしてくれています。

皮膚に腫瘤を見つけた場合は早めに受診されてください。

 

獣医師 新美綾乃

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