【 こんな症例も治ります シリーズ 238 】 最近少なくなった猫の尿路閉塞も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

 

 

猫 1歳2ヵ月 オス(去勢手術済み)

 

【 おしっこがでない!ずっとトイレにいる! 】とのことで来院された猫ちゃんです。

 

■ 触診してみると、膀胱はパンパンに膨らみあがっている状況でした。

 

オシッコは、腎臓で作られ尿管を通り、膀胱に貯められ、最終的に尿道を通り排泄されます。

そのうち、尿の通り道となる尿管と尿道はとても細く、結晶成分、結石、そして尿が作られる過程で出てくるカス(尿道栓子)が簡単に詰まってしまい、排尿困難を起こします。

 

■ 膀胱がパンパンという事は、尿は腎臓でしっかり作られており、膀胱から先の部分(今回ならば尿道に閉塞物があることになります)で排泄困難になる原因があると考えられます。

 

★ 膀胱を茄子(なす)の形に例えると、ヘタの部分から尿道と言う管があるのですが、ここが急に狭くなってくるので【詰まりやすい】のですね。

 

■ 今回は、その尿道にある閉塞物を取り除く必要があります。

 

■ 陰茎から尿道へカテーテルを入れてすぐの部分で、ザクザクと当たるものがありました。

それを少しずつ生理食塩水や、特殊な治療器具を入れながら、細かく分解して尿道から取り除き、細かくなったものを膀胱の中から洗い流す処置をさせていただきました。

 

■ また、尿量を増大させることにより、持続的に膀胱の中の汚れを流す【いわゆる膀胱洗浄】が出来るように、静脈点滴を数日間行わせていただきました。

 

その結果、尿はしっかりと排泄されるようになりました。

 

■■ 尿管に閉塞物が詰まってしまうと、早急に外科的に閉塞物を摘出をする必要がありますが、尿道の場合は、陰茎の先から細い管を通して入れることにより、膀胱へ閉塞物を押し戻して外科的に摘出したり、食事に溶ける物であれば食事管理を行い、再発防止の管理を行うこともできます。

 

■ 今回の場合、1ヵ月前に食事を変更し、それに伴いミネラルバランスが崩れて、結石が出来てしまったと考えられます。

食事に溶けるタイプの結石でしたので、食事管理を行い始めました。

その後再発は見られません。

 

Page Top