【 こんな症例が治ります シリーズ 203 】 猫の好酸球性肉芽腫 も的確な診断と治療で治します。

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/zpyP11

 

ネコ 7歳 オス(去勢手術済)

 

【 他院さんにて治療中だが、広い範囲で脱毛したまま毛が生えてこない 】というネコちゃんです。

 

■ 腰背部~お尻のしっぽの付け根まで広範囲に脱毛し、ボツボツと赤い丘疹が盛り上がって沢山出来ている状況でした。

 

■ 早速、皮膚検査を行ってみると、皮膚の表面にいる細菌が増えており、好酸球という細胞が沢山増えている状況でした。

そして、ノミ糞も被毛の間にまばらにいる状況でした。

 

■ 検査の結果を総合して考えると、『 ノミアレルギーから続発して好酸球性肉芽腫という病状に陥っている 』と考えられました。

 

※ 通常、好酸球性肉芽腫は、腹部や、後肢内側、後肢後面などや口唇に起こる病気なのですが、病気が治らずに経過時間が長くなってしまったので、今回は腰部背側に好酸球が集結して【肉芽腫様症状】になったのだと思われます。 あくまでも、主原因は【ノミアレルギー性皮膚炎】です。

 

■ 今までノミダニの予防をしたことがない、との事でしたので、ノミダニ予防薬をお出しし、皮膚の表面に異常に増えてしまった細菌をやっつけるための抗生剤と、好酸球という細胞の異常増殖を抑えるためのステロイドと、そして血流が良くなることにより被毛発育を促進するサプリメントをお出ししたところ、診察から2週間後には少しずつ毛が生えてくるようになりました!!

 

■ 【好酸球】とは、

動物の血液中にいて身体を様々な外敵から守っている戦士を『白血球』と呼びます。 好酸球はその中でも寄生虫(ノミ、ダニなど)から体を守るために働いている戦士の事です。 そして、好酸球は寄生虫以外にアレルギー反応が起こっている場所へ急行する任務も担っています。

 

■ 【肉芽腫】とは、

例えば転んで怪我をしたとき、数日経つとその傷口が中の方から埋まってくるのを経験したことはありませんか?

これは傷ついて、えぐられてしまった組織を埋めるために、皮膚組織の素となる線維細胞やコラーゲン、毛細血管などが増殖してきているために発生します。

色はきれいなピンク色でぷにぷにと柔らかく、この新しい組織が『肉芽組織』と呼ばれるものです。 そして、この肉芽組織が何らかの刺激によって無秩序に多発しているものを『肉芽腫』と呼びます。

 

■ 【好酸球性肉芽腫】とは、

皮膚の表面に何らかの刺激(寄生虫、花粉の接触など)が発生

接触したものに対する過剰な反応(アレルギー)

好酸球がその現場へ急行 & 刺激に反応して肉芽組織がたくさん形成

好酸球性肉芽腫

というメカニズムで発生してしまうのです。

 

■ 考えられるアレルギー物質の中でネコちゃんに良く見られるのがノミアレルギーです。

今回のネコちゃんもノミアレルギーが原因だったと考えられます。

それ以外にも、食物アレルギーや、花粉・ハウスダストなどの環境のアレルゲン【アレルギーの原因物質】が皮膚に接触したり、吸い込むことで発生するアトピーなどが原因として考えられます。

 

■ 病態一つでも原因は様々考えられるので、【そのネコちゃんの病気の原因】をしっかり考えて、原因を取り除くことが大切だなと改めて感じました=^_^=

 

■ ネコちゃんの皮膚、その他何でもお悩みがあればいつでも当院にご連絡ください(^^)/

 

獣医師 新美綾乃

 

 

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