【 こんな症例が治りますシリーズ 176 】 ネコの甲状腺機能亢進症 も 的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネコ 10歳 オス (去勢済)

 

【 最近少し痩せてきたかもしれない 】というネコちゃんです。

 

■ 定期的な健康診断として来院された時、食事量は変わってないのにもかかわらず、体重が以前より減っていました。

 

■ また、あまり吐き戻しをするネコちゃんではなかったのに、時々吐き戻しをするようになったというお話も出てきました。

 

■ 高齢のネコちゃんで「食べるのに痩せる病気」を考えた時に、診断名の候補の一つとして「甲状腺機能亢進症」があるので、甲状腺ホルモンの数値を測定してみることになりました。

 

■ 結果、甲状腺ホルモンは正常値より高い値でした。

 

■ そこで、甲状腺機能亢進症の治療として、内服薬での治療を試みることとなりました。 内服薬でのコントロールを開始したところ、甲状腺の数値も正常値に収まり、体調も良くなっていきました。

 

■ しかし、内服薬での治療開始後、約1カ月したところで元気食欲がなくなったということで来院されました。検査してみたところ、肝障害が起こっていました。

 

■ このネコちゃんに飲んでもらっていた甲状腺機能亢進症のお薬は、時として肝障害などの副反応を起こすことが知られています。

 

■ 甲状腺機能亢進症の内服薬の投薬を中止し、肝障害に対する治療を施しました。 数週間の治療で肝臓の状態も、ネコちゃんの全身状態も良くなりました。

 

■ ところが、甲状腺機能亢進症の治療をどうするかという問題が残りました。 内服薬で治療をし続けるには不安があったので、療法食でのコントロールを試みることにしました。

 

■ 1か月後、療法食による治療効果をみるために、ホルモンの数値を測定したところ、正常値になっていました。

 

■ このネコちゃんは現在も、療法食を食べながら元気に生活をしています。

 

■■ 甲状腺機能亢進症は、病気に気づかないことが多い病気の一つです。 高齢のネコちゃんでは、健康診断の時に一緒に測定してあげることをお勧めします。

 

■ 最近食べているのにやせているな~、妙に目がギラギラしているな~、吐き戻しや下痢が頻繁にみられるなーなど、あてはまる事がある場合、一度病院に相談してみてください。

 

獣医師 小田原由佳


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